2014年11月10日に惜しまれながらも83歳でこの世を去った高倉健の長編ドキュメンタリー映画『健さん』の製作が進行していることがわかった。
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本作は、日本映画のみならず、外国映画にも積極的に出演し続けた高倉の俳優としての在り方に焦点を当てた意欲作。世界の名優・名匠によって初めて明かされる“健さん”の知られざる姿に迫ったドキュメンタリーだ。
高倉について語るインタビューには、『ブラック・レイン』(89年)で共演したマイケル・ダグラスや、高倉が主演し76年に公開された『君よ憤怒の河を渉れ』の西村寿行による同名原作の再映画化である『追捕 MANHUNT』(香港=中国合作・邦題未定)を監督することが発表されたジョン・ウーなどが登場。
当時の高倉との思い出について語るダグラスは「健さんからシンプルであることの大切さを学んだ。彼はブレることがなかった。彼は凛と立つ姿だけでなく、身体の中心が実際に見えるようにも感じた。それがすごいと思った。彼には美しい純粋な魂が宿っていた。まず最初に感じたことは彼の謙虚さだ。腰の低さに驚いた」とコメント。
かねてより大の高倉ファンを公言しているウー監督は「18、19歳の頃、高倉さんの映画を何本も見た。一目で彼の虜になった。当時、彼はたくさんの任侠映画に出ていた。若い頃、強い意志を持つ侠客に憧れて、私にとって高倉健は男の中の男だった。彼の目つきは鋭いと同時に優しさにも溢れている。どんな相手役にも尊敬をもって、真っ直ぐに相手の目を見て話す。彼の目つきを見ると例えそれが相手と戦っている時でも、彼の目からは情念が読み取れた」などと語っている。
ほかにも、『ブラック・レイン』の撮影監督をつとめ、『スピード』シリーズや『トゥームレーダー2』(03年)の監督であるヤン・デ・ボン、高倉が出演したハリウッド映画『ザ・ヤクザ』(74年)で脚本を担当し『タクシードライバー』(76年)の脚本や数々の作品の監督でも知られるポール・シュレイダーなども出演。彼らへのインタビューを通じ、新たな高倉健像が浮き彫りになっていく。
また、40年来の付き人である西村泰治氏が、高倉の貴重なプライベート・エピソードを紹介。中でも、西村氏に内緒で、同氏の息子の結婚式に高倉が出席し、祝辞を述べる場面は、高倉の人としてのやさしさが垣間見える本作の見どころとなっている。
メガホンをとったのは、ニューヨークを拠点とし、写真家としての作品は世界各国の著名なコレクションにも収蔵されている日比遊一。高倉が遺した言葉や作品を通して、インターナショナルな視点から、映画の美学、日本人の美学、アジアの美学を紐解いていく。
『健さん』は2016年、全国公開予定だ。
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