パンクバンド、アナーキーの藤沼伸一がバンド愛溢れる映画『GOLDFISH』で監督デビュー
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「27クラブ」「ミッドナイトクライシス」など、多くのアーティストに襲いかかる死の波
デビュー42周年を迎えてなお、熱烈なファンを多数もつパンクバンド”アナーキー(亜無亜危異)”のギタリスト、藤沼伸一が初めて映画監督に挑戦した渾身の作品『GOLDFISH』が、3月31日より全国順次公開されることが決定した。これに併せて、劇中に登場するパンクバンド「ガンズ」のメンバーが不条理な世の中を睨みつけるキービジュアルを紹介する。
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80年代に社会現象を起こしたパンクバンド「ガンズ」。人気絶頂の中、メンバーのハル(北村有起哉)が傷害事件を起こして活動休止となる。そんな彼らが、30年後にリーダーのアニマル(渋川清彦)の情けなくも不純な動機をきっかけに、イチ(永瀬正敏)が中心となって再結成へと動き出す。
しかし、いざリハーサルを始めると、バンドとしての思考や成長のズレがあらわになっていく。戸惑いながらも、音楽に居場所を求めて参加を決めたハルだったが、仲間の成長に追い付けない焦りから徐々に自分を追い詰めていく。そして、酒と女に溺れていくハルの視線の先に見えてきたものは――。
藤沼監督自身のすべてをモチーフにしたという本作。カート・コバーンの自殺を機に多く語られるようになった「27クラブ」や、人生の折り返し地点を迎えた年代に深刻な心の葛藤が起きる「ミッドナイトクライシス」など、ロッカーだけではなく多くのアーティストに襲いかかる「死の波」を泳ぐ金魚のような者たちの苦悩を描く。
主演は『あん』(15年)『パターソン』(16年)『光』(17年)でカンヌ国際映画祭に3年連続で公式選出された初のアジア人俳優となった永瀬正敏。自身もパンクバンドを組んでいたという永瀬が、音楽を続けながらもくすぶった思いを抱える主人公を演じる。
また、自身との葛藤に悩むハル役を北村有起哉、ムードメーカーのアニマル役を渋川清彦、バンドメンバーを増子直純(怒髪天)と松林慎司、破滅の世界へと引きずり込む死神のような男(バックドアマン)を町田康、ハルを支える彼女を有森也実が演じる。
藤沼は音楽も担当。脚本は2年をかけてアイディアを出し合い、『宮本から君へ』(19年)『MOTHER マザー』(20年)の港岳彦、朝倉陽子とともに作り上げた。「あの頃はよかった」とぼやく世代や、未来が見えず不安を抱える若者たちにガツンと一石を投じるバンド愛溢れる作品だ。
『GOLDFISH』は3月31日より全国順次公開される。
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