女子大生がアダルトグッズ・ショップで学んだこととは? モンゴルに生きる女性の成長描く『セールス・ガールの考現学』

#エンフトール・オィドブジャムツ#ジャンチブドルジ・センゲドルジ#セールス・ガールの考現学#バヤルツェツェグ・バヤルジャルガル#モンゴル

セールス・ガールの考現学
(C)2021 Sengedorj Tushee, Nomadia Pictures

モンゴルから到着した、アダルトグッズ・ショップが舞台のグローイング・アップ・ストーリー『セールス・ガールの考現学』より、ポスタービジュアルを紹介する。

・ラブドールの胸のモデルは蒼井優…純愛映画『ロマンスドール』が切ない!

・『ターコイズの空の下で』柳楽優弥インタビュー

モンゴル映画のイメージ覆す!? 映画祭で絶賛された話題作が日本公開

モンゴルの都市部で生きる一人の女性の成長譚を、アダルトグッズ・ショップを舞台にユーモアたっぷりに軽やかに描き、第20回ニューヨーク・アジアン・フィルム・フェスティバルで見事グランプリを受賞した本作。

モンゴル・ウランバートルで家族と暮らし、大学で原子工学を学ぶサロールは、代わり映えのない毎日を送っていたが、ひょんなことから、大人のオモチャが所狭しと並ぶ、ビルの半地下にある怪しげなアダルトグッズ・ショップでアルバイトをすることになる。店を訪れるさまざまなタイプのお客たちと接する日々の中で、人生経験豊富な女性ショップ・オーナーに導かれ、自分らしく生きることを学んでいく…。

ワールドプレミア上映となった第17回大阪アジアン映画祭では、コンペティション部門に出品。300人のオーディションの中から選ばれ、本作が映画デビューにして映画初主演となったバヤルツェツェグ・バヤルジャルガルが、「最も輝きを放っている出演者」に贈られる薬師真珠賞を受賞した。

そして主人公サロールと不思議な友情関係を築き、人生の酸いも甘いも噛み分け、サロールに金言を授けるキーパーソンとなるオーナー・カティアを演じたエンフトール・オィドブジャムツは、実に30年ぶりの銀幕復帰となったモンゴルを代表するベテラン俳優だ。

監督は、ジャンチブドルジ・センゲドルジ。初期代表作である『オキシゲン』が第1回なら国際映画祭に入選、以後も『Lovers』でモンゴル版アカデミー賞の最優秀監督賞を受賞、『Life』がウランバートル国際映画祭で最優秀長編作品賞を受賞するなど、現代のモンゴル映画界を代表する俊英監督。本作では、監督のほかに脚本・プロデューサーも務めている。

邦題となった「考現学」とは、社会現象を定点観測で調査・研究し、世相や風俗を分析しようとするもの。主人公サロールはアダルトグッズ・ショップで働くことで、そこに集うオーナーやお客たちと接し、さながらフィールドワークのような日々を過ごすことで、自らの未来を主体的に歩んでいくようになる。

ポスタービジュアルは、大人のオモチャが無造作に置かれた暗がりのショップ内で、主人公サロールがコスチューム姿ながら物憂げな表情で佇んでいる印象的な姿に、「人生なんか、怖くない。」というキャッチコピーが映えるものとなっている。

『セールス・ガールの考現学』は428日より全国順次公開。

INTERVIEW