黒木華主演作に“糞尿”質問続出!『せかいのおきく』ワールドプレミアで寛一郎「ウンチでスタッフのテンション上がった」
阪本順治監督が、第52回ロッテルダム国際映画祭で行われた『せかいのおきく』のワールドプレミアに出席。寛一郎、本作の企画・プロデューサーである美術監督の原田満生と共に上映後のQ&Aに参加した。
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「最初は段ボールを千切って作っていたが…」糞尿の素材についても解説
本作は、数々の名作を産んできた名匠・阪本順治が、主演・黒木華、共演・寛一郎、池松壮亮で送る最新作。映画祭ディレクターのヴァーニャ・カルジェティッチに「22年ぶりに阪本順治監督をご招待できることを大変光栄に思います。この映画には、少しおせっかいな人々の雰囲気や和気あいあいとした中に叙情豊かなシーンが盛り込まれており、それ以上に驚きがたくさん詰まった作品になっています。そして、全く従来の型にはまらない素晴らしい作品となっています」と紹介され、約300人の観客が映画を鑑賞した。
公式上映後、阪本監督は「緊張もしましたが、温かく迎えてもらえたと思いホッとしています。最初から海外の方が見るという前提で作っているわけではなかったので、思ってもみない反応があって新鮮でした」と現地での反応についてコメント。
また、寛一郎は「日本の江戸という文化、美徳をどうオランダの人たちが受け取って解釈してくれたのか気になりますが、今の僕らと通じる何かは確実に伝わっていると思うので、まずは『見てくれた』ということが嬉しかったです」と感想を述べた。
Q&Aで、「映画の中の糞尿はどんな素材でできてるのですか?」と聞かれた阪本監督は「この映画は3年かかっていて、最初は段ボールを千切って作っていたが、改良を重ね、残飯などを使って顔にかかっても大丈夫な素材になっている」と解説。寛一郎が「実際、少し臭かったです」と補足すると、会場では笑いが起こった。
さらに、「この映画を作る上で、どのようなリサーチをしてリアリティを加えていったのでしょうか?」という質問に阪本監督は「日本は鎖国時代、この国(オランダ)とだけ付き合いがあった。当時日本に住んでいたオランダの方々が目にしたものがちゃんと記録に残っていて、日本の循環型社会について書かれている本があり、それを参考にこの映画を作った」と、本作とオランダとの関係についても言及。
「糞尿が多くを占めているのにとても美しく、そして可愛らしい映画でした。なぜこれを描こうと思ったのでしょうか?」と聞かれると、阪本監督は「原田プロデューサーから、江戸の食のサイクルをやろうと。循環を見せるには糞尿を覆い隠しては撮れないと思いました。多すぎましたか?」と回答。寛一郎が「たくさんウンチが出てくると、スタッフのテンションが上がっていました。劇中の血や雨、雪は映画を助けてくれるアイテムの一つであると思いますが、そこにウンチも加わったと思います」とコメントし、会場は再び笑いに包まれた。
『せかいのおきく』は4月28日より全国公開。
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