前編/ゲロッパのJBは、ショウビズ界一の働き者でビジネスセンスも抜群だった!

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『ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』
(C)2014 Mr. Dynamite L.L.C.
『ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』
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【映画を聴く】『ミスター・ダイナマイト〜』前編
著作権にも目配り!のビジネスマン

『ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』は、ミック・ジャガーがプロデュースを手がけたジェームス・ブラウンのドキュメンタリー作品。彼はちょうど1年前に日本公開された伝記映画『ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男』でもプロデューサーを務めていたが、両作はほぼ同時進行で製作されており、合わせ鏡のような関係にある。取り扱うエピソードや視点がそれぞれに異なり、並べて見ることでJBというポピュラー音楽界の巨人をより多面的に捉えることができるようになっている。

本作の原題は『MR.DYNAMITE The Rise of James Brown』。人物にフォーカスした映像作品のタイトルとしてよく使われる“The Rise and Fall of 〜(栄光と失墜)”ではないところがミソだ。伝記映画『ジェームス・ブラウン〜』の方では1988年のマシンガン発砲&カーチェイス事件や16歳での最初の逮捕と少年院入り、妻へのDVといった“Fall”の部分もけっこう取り上げられていたが、今回のドキュメンタリーの中心は“Rise”の部分。

ドキュメンタリー映画の名手として知られるアレックス・ギブニー監督は本作の編集意図を「彼が利己的で癇癪持ちだったことは知っているが、1本の映画ですべてを描くことはできない。だから僕らは、いかに彼が音楽シーンを変えたかということに焦点を当てることにした」と説明している。その言葉通り、本作では“ショービジネス界一の働き者”と呼ばれた彼のライヴ・パフォーマンスの凄まじさやファンク・ミュージックの誕生にいたる音楽的試行錯誤、そして自身の著作権管理の重要性にいち早く気づいたビジネスマンとしての才覚などに多くの時間が割かれている。

また、黒人の権利を求めるヒロイックな活動家としての一面もフィーチャーされ、彼がマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の暗殺事件後に行なったスピーチの映像も登場する。このドキュメンタリーの制作にあたり、ギブニー監督はJBのさまざまな資料を管理する“ジェームス・ブラウン・エステート”所蔵の映像や写真、音源などを自由に閲覧できる権利を得たという。そのため本作には貴重なライヴ映像なども惜しみなく使われており、年季の入ったJBフリークにも発見の多い内容になっている。(後編「ライブでミスすると容赦なく罰金!」に続く…)

【映画を聴く】後編/ゲロッパのJBは、ショウビズ界一の働き者でビジネスセンスも抜群だった!

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