学校ではいじめに、つらい思いをマドンナらの音楽に救われる
【輝けるセレブたち】先日、大盛況のうちに幕を閉じた第65回グラミー賞授賞式(現地時間2月5日)。今年もさまざまなアーティストがスポットライトを浴びましたが、なかでも注目を集めたのは、サム・スミスと一緒に最優秀ポップ・パフォーマンス(デュオ/グループ)を獲得したキム・ペトラス。グラミー賞に輝いた初のトランジェンダー女性としても、話題となっています。
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ドイツ出身のシンガー・ソングライターであるキムは現在30歳ですが、幼い頃から独自で音楽制作をはじめ、19歳で渡米。その後、2017年のデビュー曲「I Don’t Want It at All」を発表すると、“ポップ界の新星”として一躍スターダムを駆け上がります。2歳で自分は女性であると気が付いたというキムは、学校でひどいいじめにあったこともあるそうですが、そんなつらい思いを救ってくれたのが音楽。特に、マドンナやブリトニー・スピアーズ、クリスティーナ・アギレラなど、アメリカのポップカルチャーから多大な影響を受けていたといいます。
16歳で性転換手術、道なき道を切り開いた強さと葛藤と
ドイツではアーティストとしての成功はつかめずにいましたが、13歳から現地のテレビ番組に出演して自身の思いを発信。その姿に世界中から多くの支持が集まり、18歳からしか性転換手術を受けられなかったドイツで特例として認められ、当時世界最年少となる16歳で手術を受けます。そんなふうに、道なき道も自らで切り開いていく強さもキムの魅力ですが、さまざまな葛藤を経験してきたからこそ人々を魅了する作品を生み出すこともできるのです。今回の快挙を受けて、「自分らしさを保ちながらでも才能を認めてもらうことができると知ってほしい」と話しており、若い世代にも勇気を与えています。
グラミー賞の授賞式では、サムとキムの憧れでもあるマドンナがプレゼンターを務め、「問題児や反逆者と言われたら、あなたは間違いない何かを持っている」とスピーチして称賛されていましたが、まさにその言葉通り唯一無二の存在として音楽業界に爪痕を残すであろうキム。次にどのようなパフォーマンスで世界を驚かせてくれるのか、今後もますます注目です。(文:志村昌美/ライター)
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