野村萬斎主演で鬼塚忠原作の「花いくさ」を映画化する『花戦さ』。市川猿之助、中井貴一、佐々木蔵之介、佐藤浩市ら豪華俳優陣の出演も発表されているこの映画に、新たに森川葵が出演することが発表され、また、萬斎が坊主頭を披露する場面写真が解禁となった。
16世紀後半を舞台にした本作は、織田信長の後、天下人の座を引き継いだ豊臣秀吉の圧政に人々が苦しみはじめる中、町衆の先頭に立ち、秀吉に真っ向から戦いを挑んだ僧・池坊専好が主人公。華道池坊の歴史に名を連ねる花僧たちの中、ひときわ名手の誉れ高い専好が、天下人に対して武器としたのは、刃ではなく命ある花の美しさだったというストーリーだ。野村が生け花に関しては天才だが、天真爛漫な一面も持つ主人公の専好を演じる。
一方、森川が演じるのは、映画で重要な役割を担う、原作では描かれていないオリジナルのヒロイン、天才絵師“れん”役。れんは戦国の世に生きる少女で、ある出来事から人に対して心を閉ざしてしまうが、野村扮する専好に助けられ、少しずつ変化していくという難しい役どころだ。
森川は4月から『A-Studio』の新アシスタントとして活躍中で、映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』などに出演し、7月よりスタートのドラマ『遺産相続弁護士 柿崎真一』への出演を控える若手トップ女優の1人。本作の脚本も手がける森下佳子の強い推薦により抜てきされた。
また、れんが劇中で描く絵は、その作品が大英博物館にも所蔵展示される世界的アーティスト・小松美羽が担当していることもわかった。
本作への出演に森川は「京都に来て、すごく集中して撮影に臨めたと思います。これまでおしゃべりな役が多かったのですが、今回は表情のお芝居で勝負するのがすごく楽しみでした。なるべくちょっとした表情や目の演技で表現するようにしました。大先輩方に囲まれて、とても不安ではありましたが、実際現場にきたら楽しく毎日撮影することができました。萬斎さんの演技を見て、時代劇でも、もっと自由に色んなことにチャレンジしてみていいんだ、堅苦しくなり過ぎなくていいんだ、ということを学びました」とコメント。
萬斎は「去年の初めから短い状態が続いていましたが、今はまるで高校球児の様ですね」とその髪型について触れると、「専好さんは花に魅入られた天才的な人で、とらえどころのない天真爛漫さは上手く表現できたと思います。生け花は初めてでしたが、花と対峙するのは楽しい時間でした。花と狂言は限られたものの中で表現するという点は似ていると思います。森川さんとは初共演です。普段はハキハキしてますが、カメラの前では何とも言えない不思議な色気や一種のカリスマ性を感じました。役柄としても、花と絵、それぞれのアーティストとして触発・尊重しあえる同志的な関係を演じられたと思います」と述べている。
『花戦さ』は2017年公開予定となっている。
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