日本でも大ヒットした名作『グッドモーニング・バビロン!』などで世界の映画ファンに愛されるイタリアのタヴィアーニ兄弟。カンヌ映画祭パルムドールに輝いた『父/パードレ・パドローネ』(77年)、『カオス・シチリア物語』(84年)、ベルリン映画祭金熊賞の『塀の中のジュリアス・シーザー』(12年)など数々の傑作を発表してきた。2018年に兄ヴィットリオが88歳で死後、現在91歳の弟パオロが初めて1人で監督した『Leonora Addio(原題)』が、『遺灰は語る』の邦題で、2023年6月23日より全国順次公開されることが決定した。
・独裁者プーチンが本性を現すまで 若き日の控えめな印象から徐々に変貌する姿はまさに心理スリラー
ベルリン国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞した名匠の新作!
映画が描くのは、あるノーベル文学賞作家の“遺灰”の旅。1934年にノーベル文学賞を受賞した文豪ルイジ・ピランデッロ、彼は死に際し、「自身の灰は故郷シチリアに」と遺言を残す。しかし、時の独裁者ムッソリーニは作家の遺灰を、名誉を利用するためにローマに留めおいた。戦後、ようやく彼の遺灰が入った壺が、ローマからシチリアへと帰還することに。シチリア島の特使がその重要な務めを命じられるのだが、アメリカ軍の飛行機に搭乗拒否されたり、壷がどこかへ消えたり、次から次へとトラブルに見舞われる…。はたして、遺灰は無事にシチリアに届けられるのだろうか…?
タヴィアーニらしい熱情とユーモア、美しいモノクロ映像と鮮烈なカラー映像を織り交ぜて描かれた波乱万丈の“遺灰”の旅は、イタリアの近現代史をも語る。そして、映画の最後にはエピローグとして、ピランデッロの遺作『釘』を映像化した短編が登場。90歳を超えたタヴィアーニが運命を見つめて深い感動を残す昨年のベルリン国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞した名匠久しぶりの新作に注目だ。
『遺灰は語る』は6月23日より全国順次公開。
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