2016年上半期を総括する。まずは日本。1位は『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』で興行収入は115億円。実写映画の100億円突え破は10年公開の『アリス・イン・ワンダーランド』以来、6年ぶりとなる。
2位は『ズートピア』。昨年のディズニー映画『ベイマックス』が91.8億円、ピクサーの『インサイド・ヘッド』が40.4億円を記録。ディズニー&ピクサーアニメーションは根強い人気があり、『ズートピア』も強さを見せつけた。
上位で目立ったのは、定番アニメーションとマンガ原作の実写化作品。定番アニメは3位『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』、4位『映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』、6位『映画 ドラえもん 新・のび太の日本誕生』が入り、上位6作品のうち3つを占める結果に。
さらに『コナン』は劇場版20作目にして興行新記録を更新し、根強い人気を見せた。マンガ原作作品では5位『信長協奏曲(ノブナガコンチェルト)』、8位『暗殺教室〜卒業編〜』、9位『orange-オレンジ-』と3本がトップ10にランクインした。
一方、米国の1位も『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』。9億3700万ドルをあげ、日本と違って歴代興行収入新記録を樹立するメガヒットとなっている。
米国の上位で目立ったのは、アメコミヒーロー映画とディズニー作品。アメコミヒーロー映画は2位『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』、4位『デッドプール』、7位『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』。
特に『デッドプール』は初めての映画化で興収3億6300万を獲得。シリーズ1作目としては『アイアンマン』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を上回り、『スパイダーマン』に次ぐ記録となった。
ディズニーのファミリー向け実写作品&アニメーションは『ファインディング・ドリー』『ジャングル・ブック』『ズートピア』。特に『ドリー』は『シュレック3』を上回りアニメーション映画歴代最高オープニング記録を更新した。
実は興収3億ドル超えの7本中、5本がディズニー配給作品(『スター・ウォーズ』『シビル・ウォー』も配給はディズニー)。ディズニーの上半期興収シェアは32.6%で、2位の20世紀フォックス17.5%を大きく上回る断トツの首位。「ディズニー頼みの映画興行」となっている。(文:相良智弘/フリーライター)
[2016年上半期の公開作ランキング]
◆日本
1位『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』115億円
2位『ズートピア』74億円
3位『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』62億円
4位『映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』55億円
5位『信長協奏曲(ノブナガコンチェルト)』46億円
6位『映画 ドラえもん 新・のび太の日本誕生』41億円
7位『オデッセイ』35億円
8位『暗殺教室〜卒業編〜 』34億円
9位『orange-オレンジ-』32億円
10位『007 スペクター』29億円
(15年11月〜16年6月公開作が対象。興収は7月3日時)
◆アメリカ
1位『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』9億3700万ドル
2位『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』4億500万ドル
3位『ファインディング・ドリー』3億7200万ドル
4位『デッドプール』3億6300万ドル
5位『ジャングル・ブック』3億6000万ドル
6位『ズートピア』3億4000万ドル
7位『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』3億3000万ドル
8位『ハンガーゲーム FINAL:レボリューション』2億8100万ドル
9位『007 スペクター』2億ドル
10位『レヴェナント 蘇りし者』1億8400万ドル
(15年11月〜16年6月公開作が対象。興収は7月3日時点)
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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