ライブ歌唱付き試写会に松山、長澤まさみ、鈴鹿央士らが登場
“心優しい青年”と慕われながらも42人もの人間を殺めた連続殺人犯とその事件を担当する検事が取り調べを通じて対峙し、なぜ彼が大量殺人を犯したのかその真相に迫る社会派エンタテインメント『ロストケア』。3月6日に森山直太朗による主題歌「さもありなん」のライブ歌唱付き試写会が都内で開催され、出演者の松山ケンイチ、長澤まさみ、鈴鹿央士、そして前田哲監督が登壇した。
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試写会当日、上映終了後の余韻に満ちた会場に森山が登場。主題歌「さもありなん」に込めた思いについて観客に語りかけ、同曲を歌い上げると、会場は感動の拍手に包まれた。続いて客席からゲストの松山、長澤、鈴鹿と前田監督が登壇。会場は一層大きな拍手に包まれた。
斯波宗典を演じた松山は、「僕のボキャブラリーにある言葉をあわせても言い表せないほど突き抜けた感動がありました。曲に対しての人が見せる優しさだったり温かさだったり、そういうものを数秒ごとに感じさせてくれるライブ演奏だったと思います」と挨拶。壇上に上がる際、「やばかったよ」と森山に直接声をかける場面も。
その斯波を追い詰める刑事・大友秀美を演じた長澤は、「映画がまだ終わっていないような余韻が感じられた。生で聴けて良かったです。映画を共に作った仲間としてうれしく思います」と喜びを表す。さらに大友と共に事件を追う検察事務官の椎名幸太を演じた鈴鹿は、「ひとつひとつの言葉が染みて映画のシーンが思い出されました。映画とマッチした曲」と続けた。
最後に前田監督は、森山にラッシュを見てもらった時のことを振り返り、「気持ちをぐっと入れていただいて、僕が思っていた以上の曲を作っていただいてありがとうございます。今日、やっぱりライブって強いなと思って映画館で毎回歌ってもらえないかな(笑)」と森山にオファー。森山と松山は「無理無理!」と応えながら会場を笑わせた。
主題歌となった「さもありなん」に込められた思いを聞かれた森山は、「映画の中で斯波の父を演じた柄本明さんが『自分が自分で無くなってしまうのが怖い』といったセリフに共感しました」としながら、「人間は生まれて死ぬまでいろんな経験をする。その上でこの話は他人事ではない。彼らのような行動を自分がしないとも限らない。ふたりの演じた人間関係の本質に影響を受けました」「それでも微笑みあって生きていける世界を目指すべき」としみじみと語った。
松山は作品を通して伝えたいことを聞かれ、「人はいつか死んでいく。その前に介護に向き合う時がくる。天災と同じように、人生の終末にも備えることが大事。映画の中で“穴”に落ちた」という表現がありますが、穴に落ちる前にできることを勉強しないといけない。家族や夫婦とも共有していただけたら」と企画から関わった本作への想いを語った。
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長澤は「まだ介護について語るのは早いと思う人もいるかもしれませんが、早いほど、いろいろなことを考えられます。介護が身近ではない人にもこの映画が知るきっかけになれば。キャラクターの気持ちに共感しながら見て欲しいです」と明かした。
その後、映画がクランクインしたのが1年前の3月5日だったことに触れ、クランクイン時の思い出を聞かれた長澤と監督は、サプライズで松山の誕生日を祝ったエピソードを披露。すると下手から折り鶴をあしらったケーキが登場し、奇しくも1年後のこの日は試写会場でのサプライズとなった。
森山の掛け声で会場全員が「ハッピーバースデー」を歌い、長澤から花束を渡された松山は、はにかんだ表情を見せ38歳になったことを報告。「健康で自分のペースで好きなことをしたい」と抱負を語った。
『ロストケア』は3月24日より全国公開。
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