ベルリン国際映画祭で最高賞を受賞! 精神疾患のある人々をサポートする「アダマン号」の日常
世界的ヒット作『ぼくの好きな先生』で知られる名匠ニコラ・フィリベールの最新作
本年度ベルリン国際映画祭コンペティション部門で最高賞の金熊賞を受賞した日仏共同製作によるニコラ・フィリベール監督最新作『ON THE ADAMANT』(英題)が、邦題『アダマン号に乗って』として全国公開されることが決定。これに併せてビジュアル、特報、場面写真が公開された。
・精神に障がい持つ人々を受け入るデイケアセンターの日々を描く 金熊賞受賞作『ON THE ADAMNT』2024年公開
今年2月、第73回ベルリン国際映画祭コンペティション部門にて俳優クリステン・スチュワートら審査員から最高賞・金熊賞を贈られた『アダマン号に乗って』。「人間的なものを映画的に、深いレベルで表現している」と賞賛された本作を手掛けたのは、世界的大ヒット作『ぼくの好きな先生』(02年)で知られる、現代ドキュメンタリーの名匠ニコラ・フィリベール監督だ。
本作は、本年度コンペティション部門のなかでも唯一のドキュメンタリーであり、これまで金熊賞の名誉に輝いた数少ないドキュメンタリーの一つ。ニコラ監督は金熊賞受賞時のスピーチで「ドキュメンタリーとフィクションを区別せずに賞を与えてくれたことに感謝している。精神疾患への人々が抱く偏見を変えたいし、生産性が無い人々に税金を使うのは無駄という風潮に抗いたい」と呼びかけた。
当初、来春日本公開予定だったが、ニコラ監督の「日本の観客にいち早く届けたい」という強い思いと、金熊賞受賞後の国内外のメディアや映画ファンからの大きな反響を受け、4月のフランス公開から日を開けず、4月28日に時期を早めての公開が決定した。
ニコラ監督5年ぶりとなる新作の舞台は、パリの中心地・セーヌ川に浮かぶ木造建築の船、ユニークなデイケアセンター「アダマン号」。精神疾患のある人々を迎え入れ、文化活動を通じて彼らの支えとなる時間と空間を提供し、社会と再びつながりを持てるようサポートをしている。
運営するのは、精神科医療の世界で起こる“質の低下”や“非人間化”の波にできる限り抵抗しようとするチーム。患者もスタッフも区別なく、誰にとっても生き生きと魅力的なこの場所を、監督は「奇跡」だという。そして本作でもニコラ監督は、ここにやってくる人たちに寄り添い、優しい眼差しで見つめ続ける。
ビジュアルと特報、場面写真では、「今日もここにはいろんな人たちがやってきます。」のコピー通り、絵画を制作したり、ダンスを踊ったり、ピアノを弾いたり、誰にとっても魅力的なこの場所にやってくる人々の姿が映し出されている。
『アダマン号に乗って』は4月28日より全国公開。
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