【映画を聴く】『スーパーメンチ -時代をプロデュースした男!-』前編
アリス・クーパーらを巧みな話題作りでスーパースターに
マイク・マイヤーズの初監督作品『スーパーメンチ -時代をプロデュースした男!』が公開される。“メンチ”はドイツ語で“人間”の意味。日本語ではメンチュとかメンシュと表記されることもある。ビリー・ワイルダー監督のクラシック『アパートの鍵貸します』で、ジャック・レモンの演じる主人公が医者に「メンチュになれ」と説教されるシーンがあるが、ここでのメンチュは真人間、つまり「まともな人間になれ」という意味合いで使われている。
ハリウッドの伝説的マネージャー/プロデューサーのシェップ・ゴードンを題材としたこのドキュメンタリー映画のタイトルの場合は、“超真人間”というより“超いいヤツ”というニュアンスになるだろうか。コメントで出演する各界の錚々たるスターたちは、とにかくシェップが好き!という感じで賛辞の言葉を惜しまない。
マネジメント・オフィスを立ち上げ、アリス・クーパーやピンク・フロイド、ブロンディ、テディ・ペンダーグラス、ルーサー・ヴァンドロス、フランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズ、ケニー・ロギンスといったアーティストを次々と成功へ導いている。これまで手がけたアーティストの売上枚数は、全世界で1億枚を超えているという。中でもアリス・クーパーはシェップ本人が「自分の一部」と話すぐらい縁が深く、現在も変わらずマネージャーを続けている。
シェップの発想、売り出し方は、基本的にセオリーの真逆を行くもので、今で言えば“炎上商法”に近いところがあったりもする。とにかく話題を作り、ニュースに取り上げられることを何よりも重視するわけだ。
特に先のアリス・クーパーは全裸に透明の衣装でライヴをやらせたり、熱狂する観客に向かってたくさんのニワトリを投げ込んだり、全裸にヘビがまとわりつく特大ポスターをトラックに貼って宣伝したり、紙製のパンティを履かせたレコード(アルバム『School’s Out』)を大ヒットさせたりと、後にショック・ロックと呼ばれるジャンルの確立につながる“事件”を数々仕掛けている。
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