坂口健太郎が、主演を務める『サイド バイ サイド 隣にいる人』の大阪先行上映イベントに出席。伊藤ちひろ監督と共に舞台挨拶に登壇し、本作について語った。
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「人の念を感じられるかというのは分からないですが、人の気持ちは分かります」
『サイド バイ サイド』=隣同士で/一緒にという題名を冠された本作は、リアルとファンタジーが混在する「マジックリアリズム」が息づく物語。主人公・未山を演じた坂口は、本作の魅力を「見た日であったり、誰と一緒に見たかで感想が左右される作品って面白いなと思います。時間が経ったら捉え方も変わるだろうし、また見ていただけると、その時のその人の感覚でまた違った捉え方で見ていただけるだろうし、そういう楽しみ方ができる面白い作品ができたなと思いました」と語る。
本作の魅力のひとつが、“そこに存在しない“誰かの思い”が見える不思議な力を持つという未山のキャラクター設定。未山というキャラクターについて伊藤監督は「未山は色々な人やものと共存する存在です。なので未山は目に見えない“誰かの思い”も含め、すべてのものが見えるのかなと思います。そして、すごく人の気持ちを理解することができる。“共感”の最大級のところに未山がいます」と未山像を解説すると、演じた坂口は、「感じながら、素でやりました」と言って会場を沸かせた。
「坂口さんって、人の心をさらっていくというか、人の心を見抜くのが得意ですよね」と伊藤監督から言われた坂口は、「この作品は、ちょっとしたアテ書きのような感覚で書いてくださったと聞いています。僕と未山は同一人物ではないですが、僕のニュアンスも入ってこのようなキャラクターとなり、ある種の発見でもあったし、驚きでもありました。だから未山を演じるにあたり、僕自身人の念を感じられるかというのは分からないですが、人の気持ちは分かります。でも、むしろ分からないからこそ魅力的に映ったりする瞬間もあると思うんです」と未山像をどう捉えて演じていたかを振り返った。
「自分に未山のような特異な能力があったらどうするか?」と聞かれると、坂口は「知りたくないかな(笑)。知らないから、より相手のことを知りたくなると思うんです。人の気持ちが分かる、人の思いが見えてしまうということに対しては『見たい』とも思うし、人の念や思いが存在するということを僕は信じているし、そうあってほしいと思うので、人の思いが一瞬でも見えたりすると嬉しく感じます」と語る。
未山を演じるにあたり気を付けた部分に関して坂口は「監督からは、“未山として存在するということを大事にしてください”と言われました。存在感を出すということではなくて、存在をしてほしい、と。難しかったです。最初は難しいなと思いながら撮影に臨んでいましたが、次第に未山としてただただ存在するということの意味が分かってきました。セリフが多い役ではなかったので、何をもって未山の気持ちを知ればよいのかは、ちょっとした表情や目線や初めて言うセリフなどを、どういう間を使って言おうか…という部分は考えていました。監督の世界観の体現はしたかったので、頂いたオーダーをどう嚙み砕いてどう演技に入れるかというのは苦労しました」と振り返る。
最後に坂口から、「この作品は、一緒に見る方や、日によっても変わる作品だと思うので、不思議だけどいい体験ができたなと感じてもらえると嬉しいです」とメッセージが送られた。
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