【クリスマス特集】サンタ殺人鬼が恐ろしすぎる!/後編
『レア・エクスポーツ 〜囚われのサンタクロース〜』
同じくサンタクロースを悪魔的存在とし、より神秘的に描いた一風変わった映画。物語の舞台は雪に囲まれた北フィンランドの田舎町。地下深くから発掘された“何か”。ただ一人、正体を「蘇ったサンタ=悪魔」だと気づいた少年の目を通し、謎解きの面白さで見せていく。スプラッター要素はない分、家の周りに現れる裸足の足跡や家畜の大量死、裸で発見された不気味な老人など、「エイリアンか何がが潜んでいるんじゃないか?」と不安をあおる要素がいっぱい。前半はそういう「生活圏内がじわじわ何かに侵される」系でテンションを上げさせつつ、クライマックスの大胆な急展開が見どころ。
『グレムリン』
ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』で新垣結衣演じるヒロインの「可愛いは最強〜」論が話題になったけど、無敵のかわいさを持つキャラクターのひとつ、つぶらな瞳に感情豊かな“モグワイ”も実はクリスマスに登場するのだ。そもそもは主人公の父親が怪しい中国人の経営するお店で買ってきたクリスマスプレゼント。飼うには「光に当てない、夜のごはん禁止、水にぬらさない」などルールがあり、それを破った事で残忍で人を襲うクリーチャー“モグワイ”が誕生。クリスマスの町で大暴れする奴らと戦うSFホラーだ。106分の中には主人公とヒロインのロマンスあり、母ちゃんのドタバタ台所バトルあり、街中の大乱闘ありとにぎやか。初めてこの映画を見た子どもの頃は、研究所のスタッフが机の下に隠れたグレムリンをおびき出そうとエサをもって手を入れる……シーンにドキッとしたものです。
スタバにも置いてるクッキーのジンジャー・ブレッド。コーヒーのお供に美味しいですよね。ひと時の安らぎを与えてくれるクッキーですが、まさかそんなクッキーが人を襲うのか!というぶっ飛んだスプラッター。そもそもトマトが人を襲う国(ジョージ・クルーニーが黒歴史にしてるっぽいアレ)なのでちょとやそっとだと驚かないけど、美味しそうな外見とは裏腹に殺人犯の魂を宿した人面菓子というビジュアルは強烈。外見とのギャップでいうなら『チャイルド・プレイ』のチャッキーといい勝負。『フレディVS.ジェイソン』では寝ても覚めても襲われるというホラーファン夢の展開があったけど、アメリカではおやつの時間も油断できないのだ。ちなみにジンジャーブレッドはクリスマスシーズンに人気のお菓子だそう。
ほかにもクリスマスを舞台にしたホラー映画は数たくさん。帰宅中のOLが地下駐車場でストーカーに閉じ込められる『P2』、出口のない一本道で家族がひとりひとり消えてく不条理系スリラー『-less[レス]』、悪い子どもをさらいに来たクリーチャーとの攻防を描いたSFホラー『クランプス 魔物の儀式』、ヴァネッサ・パラディの妹アリソン主演の痛く哀しい『屋敷女』、ベビーシッターが襲われる『夕暮れにベルが鳴る』やカミーラ・ベル主演でリメイクされた『ストレンジャー・コール』などなど名作ぞろいです。(文:中村好伸/ライター)
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