【元ネタ比較】『東京タラレバ娘』/後編
生ぬるいラブコメディじゃなく、攻めの姿勢を!
彼氏ナシ・結婚予定ナシの三十路女3人組を描いた、東村アキコ原作の人気女性コミック「東京タラレバ娘」がドラマシリーズ化されて日本テレビ系で放送中だ。
・『君の名は。』に1ミリも感動できなかったライターが選ぶベスト10!
3人組には実年齢28歳の吉高由里子、榮倉奈々、大島優子が扮し、彼女たちと敵対する重要な役どころである人気若手モデルのKEY役は坂口健太郎が演じている。
第2話のラストで倫子とKEYは関係を持ってしまうが、オバサンが若い子に弄ばれた(のではないかもしれないが、倫子はそう感じるはず)といういたたまれなさが見ている側にも生まれないと、この作品のキモがぼやけてしまう。でも坂口×吉高だと、ちょい年下の生意気クンとワンナイトラブしちゃったね〜っていう程度にしか感じられない。
あまりダメージが大きいと視聴者がついてこないと及び腰になっているんだろうか? このまま中途半端な生ぬるいラブコメディとなってしまうのか? ドラマのプライムタイムである午後10時枠だと仕方ない計らいなんだろうか。
深夜ドラマならもっと強気な脚本で、キャスティングもいい具合に低コストでトウのたったグラビアアイドルでも起用して崖っぷち感が出れば、原作のドギツい面白さがもっと生きた気がする。
ついでにKEYのモデルは韓流アイドルのSHINeeのKeyらしく、坂口と同じ25歳だけど童顔だし、Keyは無理でも坂口より新人を使ったほうがヒロインとの年齢差が感じられたかもしれない。
原作に出てくる倫子の妄想キャラクター、鱈の白子の“タラ”とレバテキの“レバ”はドラマ版にも登場。それぞれ加藤諒とPerfumeのあ〜ちゃんが声を担当しており、かわいいキャラと見せかけて倫子に鋭いツッコミを入れてダメージを与える存在だ。
今のところ彼らがいちばん原作のイメージ通り。せめて彼らをうまく使って、もっと原作のように辛口のスパイスを効かせる方向でお願いしたい。
いや〜、それにしても、前クールは草食男子と契約結婚する『逃げるは恥だが役に立つ』がヒットして、今期は本作が順調にヒットしたなら、結婚をこじらせた女性がいかに多いかという証明になるだろう。(文:入江奈々/ライター)
『東京タラレバ娘』は放送中。
入江奈々(いりえ・なな)
都内録音スタジオの映像制作部にて演出助手を経験したのち、出版業界に転身。レンタルビデオ業界誌編集部を経て、フリーランスのライター兼編集者に。さまざまな雑誌や書籍、Webサイトに携わり、映画をメインに幅広い分野で活躍中。
PICKUP
MOVIE
INTERVIEW
PRESENT
-
【舞台挨拶あり】齊藤工が企画・プロデュース『大きな家』公開直前舞台挨拶付試写会に15組30名様をご招待!
応募締め切り: 2024.11.22 -
『型破りな教室』一般試写会に10組20名様をご招待!
応募締め切り: 2024.11.29