大河ドラマは綺麗ごと!? 北野武監督が描く、野望と裏切り、バイオレンス全開“本能寺の変” 構想30年

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『首』
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巨匠・黒澤明も「北野くんがこれを撮れば、傑作が」と期待

日本が世界に誇る映画監督・北野武の最新作にして構想に30年を費やした戦国スペクタクル映画『首』が、2023年秋に劇場公開されることが決定した。これに併せて4月15日に都内にて完成報告会見が行われ、北野監督に加え、出演者の西島秀俊、加瀬亮、中村獅童、浅野忠信、大森南朋が一堂に集結した。

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北野監督が初期の代表作の1本『ソナチネ』(93年)と同時期に構想し、30年もの長きに渡って温めていた本作は、巨匠・黒澤明が生前「北野くんがこれを撮れば、『七人の侍』と並ぶ傑作が生まれるはず」と期待していた念願の企画の映画化だ。“本能寺の変”が、戦国武将や忍、芸人や百姓といった多彩な人物の野望や裏切り、運命とともに描かれ、キレ味抜群のバイオレンスと笑いをはじめとした北野のワールドのエッセンスが全開する。

そんな野心作に豪華&異色のキャストが集結。北野自らが“本能寺の変”を策略する羽柴秀吉を飄々と演じ、織田信長に複雑な感情を抱く明智光秀を西島秀俊が演じる。さらに加瀬亮が狂乱の天下人・信長を怪演、浅野忠信と大森南朋も秀吉を支える軍師・黒田官兵衛と弟の羽柴秀長をユーモアたっぷりに演じ切る。秀吉に憧れる百姓・難波茂助には、北野組に初参戦となる中村獅童。

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会見で北野監督は、「構想30年というのは、3週間の間違いだと思いますが(笑)。今、時代劇といえば大河ドラマなどで描かれていますが、綺麗な出世物語ばかりで、人間の汚い部分や業というものが描かれていない。この作品は『自分が撮ればこうなる』という発想から作り上げました。完成までだいぶ苦労しましたが、スタッフ・キャストのおかげで作ることができたと思っています」と挨拶。

本作が「カンヌ・プレミア」で上映されることが決定したことについて、「知り合いのカンヌの人に聞いたら、この作品はコンペの枠に当てはまらない、非常に強烈な映画だということで、プレミアという冠をつけて別でやりたいと言われまして、その話を聞いた時のこの作品は世界的に当たるなと思いました」と語った。

明智光秀役の西島は、「北野監督の作品に出るのは『Dolls』以来です。とにかく監督に成長した姿を見せようということは絶対考えないように、無欲に監督の頭の中にある作品をなんとか現実の世界に表に出すべく、力を出し尽くしました。本当に幸せな時間でした」と作品への手応えを明かした。

織田信長役の加瀬は、「北野監督の作品は『アウトレイジ』シリーズ以来の出演ですが、前回の『アウトレイジ』シリーズでも自分からは遠い役を演じて大変だったのですが、今作も案の定大変な目に遭いました(笑)」と撮影の苦労を語った。

北野映画初出演となる中村は、「若い頃から北野監督の作品が大好きで、いつか出演するのが夢でした。仲良くさせていただいている大森さんにいつも監督の作品に出るにはどうすればいいのかと相談はしていたのですが、自分から監督に声をかけるのもおこがましく、いつか出られたらとずっと思っていました。そんな時にこの作品のお話をいただいて、今まで演じたことの無い役をいただけて、新しい中村獅童を引き出してくれたと感じています。本当に感謝しています」と監督に感謝。

黒田官兵衛役の浅野は、「北野監督の作品は『座頭市』以来の出演となりました。北野組で再び時代劇にまた出られて本当に嬉しくて、どうやって役を演じようか何度も台本を読んで撮影に臨みました」と喜びを語った。

羽柴秀長役の大森は、「北野監督の作品には『アウトレイジ』シリーズ、『アキレスと亀』に出演させてもらい、またこうして北野組に戻ってくることで自分のモチベーションを保っていたところもあったので。私の役は常に北野監督のそばにいる役でしたので、非常に濃密な時間を過ごすことができました」と語った。

『首』は2023年秋に劇場公開。

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