【映画を聴く・番外編】2月前半のオススメ映画/前編
注目の女性シンガー、沖ちづるの出演も話題!
音楽面から映画をチェックするコラム「映画を聴く」。毎週、多彩な映画レビューを掲載していますが、オススメしたい映画が多すぎてお伝えしきれないことも。そんな「取りこぼしてしまった」作品群から、「やっぱりオススメしたい!」という公開中の秀作をピックアップしてみました。
・中学生の妄想にアラフォー男子が共感しまくり! キュウソネコカミの音楽もイイ感じの青春映画
●『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』(2月3日公開)
世界各国でベストセラーとなったランサム・リグスによるダーク・ファンタジー小説『ハヤブサが守る家』を、ティム・バートン監督が映画化。もともとデヴィッド・リンチやティム・バートンの映画に通じる世界観が指摘されていた小説だけに、最高のタッグによる今回の映画化を喜んでいる原作ファンも多いのでは? 奇怪な作品ばかりが揃うティム・バートン映画の中でも屈指の奇怪さで、一瞬たりとも“普通のシーン”がない。想像力がいつも以上に飛躍し、娯楽映画として着地できるギリギリのバランスを保っている。ついその映像の魅力ばかりに目が向いてしまうが、やはり音楽も素晴らしい。長くティム・バートン映画の音楽を手がけてきた元オインゴ・ボインゴのダニー・エルフマンが降り、本作ではマイク・ハイアムとマシュー・マージェソンが作曲を担当。エルフマンのファンとしては残念だが、作曲者が変わってもバートン的な音世界は不変で、フローレンス・アンド・ザ・マシーンの主題歌とともに本作の映像を脇からがっちり固めている。
●『くも膜。』(2月4日公開)
「OL聖徳太子」や「ちびっこ石油王」などのネタでジワジワと人気を高めているタイタン所属のピン芸人、脳みそ夫が映画初出演にして初主演。原作は中川学の同名マンガ。風俗店で最高のサービスを受けているまさにその瞬間、くも膜下出血を発症してしまった不運のニートが生還するまでの実話を描いている。脳みそ夫だからこそ実現できる表現主義的な脳みそネタが随所に散りばめられ、彼のファンはもとより原作のファンも大いに楽しめる作品になっている。いっぽうで1995年生まれの女性シンガー、沖ちづるの出演も話題だ。そのクールビューティ系のルックスからは意外に思える内向的で素朴な歌を聴かせる人で、本作では「誰も知らない」という楽曲をエンディングテーマに提供している。また、劇伴は21人編成のビッグバンド、Gentle Forest Jazz Bandが担当。分厚いアンサンブルでこの悲喜劇を盛り上げる。小林稔昌監督の長編デビュー作とは思えない構築力、下々の話をファミリードラマへと発展させていく語り口のうまさにこれらの要素が絡み合い、低予算という縛りをどこにも感じさせない大らかな空気感を生んでいる。
(後編「予定調和とは対極にあるウルトラハッピーなチビッコスペクタクル!」に続く…)
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