中絶法を勝ち取り世界を変えた不屈の魂 アウシュビッツを生き抜き、女性初の欧州議会議長となったシモーヌの生涯を描く
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2022年、フランス年間興行成績No1! オリヴィエ・ダアン監督3部作の最終作
オリヴィエ・ダアン監督3部作のラストを飾る映画『Simone』が、邦題『シモーヌ フランスに最も愛された政治家』として、7月28日より全国順次公開されることが決定した。本作より、日本版ポスタービジュアル、予告編、場面写真を紹介する。
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1974年パリ、カトリック人口が多数を占め、男性議員ばかりのフランス国会で、シモーヌ・ヴェイユ(エルザ・ジルベルスタイン)はレイプによる悲劇や違法な中絶手術の危険性、若いシングルマザーの現状を提示。「喜んで中絶する女性はいません。中絶が悲劇だと確信するには、女性に聞けば十分です」と反対意見をはねのけ、後に彼女の名前を冠してヴェイユ法と呼ばれる中絶法を勝ち取った。
1979年には女性初の欧州議会議長に選出され、大半が男性である理事たちの猛反対の中で、「女性の権利委員会」の設置を実現。女性だけではなく、移民やエイズ患者、刑務所の囚人など弱き者たちの人権のために闘い、フランス人に最も敬愛された女性政治家となった。その信念を貫く不屈の意志は、かつてアウシュビッツ収容所に送られ、“死の行進”、両親と兄の死を経て、それでも生き抜いた壮絶な体験に培われたものだった-。
『エディット・ピアフ 愛の讃歌』(07年)『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』(14年)に続き世紀の女性を描く3部作の渾身のラストとしてオリヴィエ・ダアン監督が完成させた本作は、フランスの政治家シモーヌ・ヴェイユの生涯を描いた感動の物語。フランスで公開初週No1に躍り出たあと10週連続トップ10入りのロングランヒット。240万人を動員し、2022年フランス国内映画の年間興行成績No1の記録を樹立した。
2017年に89歳でシモーヌが生涯を閉じた際には、国中がシモーヌ死去のニュース一色となり、国葬が執り行われ、キュリー夫人などの偉人たちが眠るパンテオンに5人目の女性として合祀された。
シモーヌ・ヴェイユを演じるのは、8キロ増量して撮影に臨んだエルザ・ジルベルスタイン。威厳ある演技に加え、当時を再現した豪華な美術や、カール・ラガーフェルドがシャネルのアトリエで特別にデザインする程ファッションも愛したシモーヌの衣装も見逃せない。
紹介するビジュアルは、シモーヌを演じるジルベルスタインが、フランスから強制収容されたユダヤ人の名前が刻まれた「Wall of Names」を見つめる姿を切り取った場面写真からデザインされた。トリコロールの色調がシモーヌを包み込み、「世界を変えた、崇高なる不屈の魂」というキャッチコピーが添えられている。
また、予告編では、家庭に入り学業を断念した母が幼いシモーヌに「勉強して自立しなさい。女性も働かないと」と言い聞かせる場面から始まり、16歳で家族とともにアウシュビッツ強制収容所に送られ壮絶な体験を強いられた記憶が描かれている。
アウシュビッツを生き延びたシモーヌは、結婚し子育てをしながらパリ政治学院を卒業し、周囲に反対されながら、男性優位社会の中でキャリアを積んで司法官となり、劣悪な刑務所内の環境や囚人たちの待遇の改善に奔走する。やがて政界入りし保健大臣となった彼女は、反対派多数の中、中絶法成立のために闘い、欧州議会で弁舌を振るう。シモーヌの誇り高き不屈の人生が垣間見える予告編となっている。
『シモーヌ フランスに最も愛された政治家』は7月28日より全国順次公開。
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