先日、芦田愛菜が中学受験で私立の超難関校に合格したことが大きなニュースになったが、実はハリウッド俳優にも秀才は少なくない。特に、名門大学に学んだスターは数知れず。まずはアメリカの一流校に学んだスターをおさらいしてみる。
『ハリポタ』ハーマイオニーは
母国ケンブリッジを蹴って米名門大学へ
名門大学といえば、有名なのはアイビー・リーグ。アメリカ合衆国北東部にある名門私立大学8校の連盟で、ブラウン、コロンビア、コーネル、ダートマス、ハーバード、ペンシルベニア、プリンストン、イェールが名を連ねる。
ロードアイランド州にあるブラウン大学は、4月には主演作『美女と野獣』が公開になるエマ・ワトソンの母校。地元イギリスのケンブリッジ大学、そしてイェールにも合格したが、選んだのは連邦準備制度理事会(FRB)初の女性議長、ジャネット・イエレンの母校でもあるブラウン。2009年に入学して英文学を専攻した。『ハリー・ポッター』シリーズのハーマイオニーを演じ、すでに大スターだったエマは最初、大学生活に馴染めるか心配していた。実際、初めて大学の食堂に入った時は居合わせた学生たちが驚くのを目の当たりにして、かなり気まずかったという。途中1年休学して『ハリポタ』出演など仕事もこなしながら、5年かけて2014年に卒業した。同校は『ハドソン川の奇跡』のローラ・リニーやジョン・クラシンスキー、平岳大やマシ・オカも卒業生だ。
「スターになるより賢くなりたい」と
ハーバードに入学したナタリー・ポートマン
マサチューセッツ州ケンブリッジにあるハーバード大学はナタリー・ポートマンの母校。子役としてキャリアをスタートさせた彼女は高校時代の成績はオールAで、ハーバードとイェールに現役合格し、ハーバードで心理学を学んだ。その後、母国のイスラエルでエルサレム・ヘブライ大学でも中東問題を研究したことも。学業がキャリアの妨げになるのではという声には「それでも構わない。私は映画スターになるより賢くなりたい」と応えていた。ハーバード出身のスターといえば、マット・デイモンもその1人だが、ナタリーとは正反対の道を歩んだ。在学中に俳優デビューを果たした彼はキャリアを優先して退学。後にこの決断を悔やんでいると語ったが、2013年には母校からハーバード芸術勲章を贈られている。卒業生には、英文学専攻のトミー・リー・ジョーンズもいる。フットボールでアイビー・リーグ最優秀選手賞に選ばれたこともある彼はアル・ゴア元米国副大統領とはルームメイトだったことも。その縁で、2007年にはゴア氏と2人でノーベル平和賞記念コンサートのホストを務めた。
エリザベス・バンクスが学んだペンシルベニア大学は
トランプ父娘の母校で米国大学ランキング1位の最難関校!
フィラデルフィアにあるペンシルベニア大学はドナルド&イヴァンカ・トランプ父娘の母校。USAトゥデイ紙による米国大学ランキングで1位に選ばれた同校は、2016年の入学者の合格率は9.4パーセントという狭き門。そんな最難関大学の出身者でエンターテインメント業界に進むのはごくわずか。ミュージシャンのジョン・レジェンドや、『ハンガー・ゲーム』シリーズで知られるエリザベス・バンクス、『ヘイトフル・エイト』のブルース・ダーンなど数少ない。
今年もアカデミー賞主演女優賞候補になり、史上最多20回ノミネートで自己記録を更新したメリル・ストリープはコネチカット州のイェール大学の卒業生。オリバー・ストーンやマイケル・チミノなど名だたる映画監督も数多く在籍した同大学は、オスカー受賞俳優の宝庫。ストリープ以外にも、2冠を果たしたジョディ・フォスター、ポール・ニューマン、ホリー・ハンター、ジェニファー・コネリー、フランシス・マクドーマンドがいる。ほかにはエドワード・ノートン、クレア・デインズ、シガーニー・ウィーヴァー、『Xファイル』のデヴィッド・ドゥカヴニーなど。『サイドウェイ』のポール・ジアマッティは、MLBコミッショナーにして1977年から86年まで学長を務めたアンジェロ・バートレット・ジアマッティの次男だ。
ちなみにイェールの大学院博士課程に学んだジェームズ・フランコは、出身地のカリフォルニア大学(UCLA)からアイビー・リーグ、ニューヨーク大学にも在籍した学歴の持ち主。UCLA在学中に俳優を志して中退したが、キャリアが軌道に乗ると再入学して30歳で卒業。その後にニューヨーク大学とコロンビア大学に同時入学し、演出や文学、文芸表現学を学び、両校で修士号を取得した後にイェール大学大学院に進学した。同時にニューヨーク大学大学院の映画学科で講師を務めていた。
トランプ支持派、本業よりも
政治論で活躍中の映画スターとは?
アイビー・リーグではないが、全米屈指の名門、マサチューセッツ工科大学に在籍していたのはジェームズ・ウッズだ。政治学を専攻した彼は保守派で共和党支持者、ツイッターでの政治的発言でも有名だ。2016年の大統領選挙の予備選時点ではテッド・クルーズ議員を支持していた。現時点ではトランプ大統領支持だが、他の支持派セレブたちのように諸手を挙げて全面的に応援というより、時にはその政治手腕に対して辛口ツイートを挟みながらの支持。1月にイスラム圏7カ国からの入国禁止の大統領令が出た際は、フランスが反対の立場を表明したことに対して、「フランスがトランプの対テロ入国禁止に異を唱えるのか…#皮肉」とツイート。そこに2015年11月にパリのバタクランで起きたテロの犠牲者たちの画像を添えたことから批判が寄せられ、投稿を削除する騒動に。だが、その後も「遺族は誰も何も言ってこなかった」「正しいことをしたと思った」とツイート。今や本業よりもツイッター上の政治論で活躍中だ。
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