【映画を聴く】『ラ・ラ・ランド』を最強ミュージカルにしている要素とは?/前編
4億円越え大ヒット! ソフトなサウンドが特徴
本年度アカデミー賞で最多13部門へのノミネートが話題となった『ラ・ラ・ランド』。先週末に公開され、日本でもたちまち4億円越えのヒットとなっており、オスカー授賞式で作品賞の言い間違いという前代未聞のハプニングがあったものの、結果的に最多6部門受賞を達成した。受賞部門と対象は下記の通り。
・監督賞:デイミアン・チャゼル
・主演女優賞:エマ・ストーン
・主題歌賞:「City of Stars」
・作曲賞:ジャスティン・ハーウィッツ
・美術賞:デヴィッド・ワスコ、サンディ・レイノルズ・ワスコ
・撮影賞:ライナス・サンドグレン
・前代未聞!アカデミー賞授賞式でハプニング、作品賞を『ラ・ラ・ランド』と間違えて発表!
作品賞、主演男優賞、脚本賞、編集賞、録音賞、音響編集賞、衣装デザイン賞の7部門では惜しくも受賞を逃したが、監督賞のデイミアン・チャゼル監督は、史上最年少となる32歳での受賞。1931年に行なわれた第4回の授賞式で同賞を受賞した『スキピイ』のノーマン・タウログ監督と並ぶ記録を樹立した。
当コラムで注目したいのは、やはり作曲賞を受賞したジャスティン・ハーウィッツ。主題歌賞の「City of Stars」も彼による作曲だ。チャゼル監督とはハーヴァード大学で知り合って以来の友人で、監督のデビュー作『Guy and Madeline on a Park Bench』と次作『セッション』の音楽を担当。後者がグラミー賞にノミネートされたことはあるものの、アカデミー賞の受賞は今回が初めてだ。
ミュージカルの劇伴といっても、本作にはNYブロードウェイ的なゴージャスさ、グロッシーさは希薄。たとえばミシェル・ルグランがジャック・ドゥミ監督と作った『シェルブールの雨傘』や『ロシュフォールの恋人たち』などを思い出させるソフトな耳触りがサウンド的な特徴だ。
もちろん、『セッション』のスリリングでスピーディな劇伴ともタイプはまったく異なる。チャゼル監督と同様にまだまだ多くの引き出しを隠し持つ逸材であることは間違いなく、今後他の監督と組んだ時にどんな仕事をするのか楽しみだ。
(後編「3ヵ月でここまで上達!? ライアン・ゴズリングのピアノの腕前がスゴ過ぎる!」に続く…)
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