長編映画デビュー作『すべてが許される』(07年)や最近作『ベルイマン島にて』(20年)など、自伝的映画を作り続けてきたミア・ハンセン=ラブ監督の最新作『それでも私は生きていく』が公開。ムビコレでは、パスカル・グレゴリーとメルヴィル・プポーのインタビューを掲載中だ。
・『それでも私は生きていく』パスカル・グレゴリー&メルヴィル・プポー インタビュー
「私たちは共に映画史に残る偉大な監督たちとの仕事に恵まれた」(グレゴリー)
夫を亡くしたシングルマザーのサンドラが仕事と子育てをしながら、病で記憶と視力を失いつつある父の介護、そして新たな恋に向き合う。そんな本作で、レア・セドゥが演じるサンドラの父、ゲオルグを演じたパスカル・グレゴリーと、彼女と恋に落ちる旧友のクレマンを演じたメルヴィル・プポー。
グレゴリーは1970年代から、プポーは1980年代から、フランス映画の巨匠、名匠たちと数多くの名作を作り続けてきた。プポーは、ミア監督からグレゴリーへのオファーの理由を「ミアはエリック・ロメールの大ファンなので、監督の作品の常連だったパスカルと仕事したかったんじゃないかな」と推測する。
それに対し、「脚本を読んだら、この役を断ることなんて出来ない」と話すグレゴリー。「オファーが来た時、彼女が私を念頭に脚本を書いたこともわかった。肉体的に私が彼女の父親に少し似ていたからだと思う。私も彼女も互いにずっと、一緒に仕事をしたいと思っていたから、これは良い偶然だと言えるね。良い運命、そして良いタイミングだった」と、ミア監督の思いやタイミングの良さもあってオファーを受けたことを語った。
レア・セドゥのことは「彼女が女優になる前から知っていた」とプポー。レア・セドゥと共演できることもオファーを受けた理由の一つだと明かし、「共演してみて、彼女は想像以上に素晴らしい人だった。カリスマ性があり、とても繊細で感情豊かで、優しくて共感できる。本当に素晴らしい女優だ」と絶賛した。
グレゴリーは、「私はレアの父親(実業家のアンリ・セドゥー。祖父ジェロームは映画会社パテ会長)をよく知っているんだ」と意外な繋がりを告白。「彼女を直接は知らなかったけれど遠い存在ではなかったので、俳優同士として、会ってすぐ家族のようになれた。俳優は最高の状況にあると、カメラや演じていることさえ忘れて役に没頭することがある。常に起こることではないけれど、レアが演じている時にそういう瞬間があった」と、撮影中も撮影外でも良い関係を築けたことを語った。
また、これまでに何度か共演してきたお互いの印象について、プポーは「パスカルのことをずっと尊敬してきた。素晴らしいキャリアだよ。ロメールやシェローの作品で鮮やかに演じ、年齢と共に深みを増して興味深い役を演じている。こんなふうにキャリアが発展していくのは稀有なことだと思う」、グレゴリーは「私はメルヴィルの仕事がとても好きだ。(プポーに)君も偉大な監督たちのもとで素晴らしい役を演じてきた。私たちは同じ軌跡を辿っているようだ。共に映画史に残る偉大な監督たちとの仕事に恵まれたね」と、尊敬し合っていることを明かした2人。
インタビューでは他にも、過去のラウル・ルイスやエリック・ロメールなど名匠たちとの仕事についても振り返っている。パスカル・グレゴリーとメルヴィル・プポーのインタビュー全文はこちらから!
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