2014年本屋大賞にランクインした「ランチのアッコちゃん」をはじめ、数々のヒット作を生み出し、あらゆる世代の女性から支持される作家・柚木麻子が、2013年に発表し、自身初の直木賞候補作となった恋愛小説「伊藤くん A to E」が、岡田将生と木村文乃のW主演で映画化されることがわかった。
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主人公は、20代半ばで手掛けたテレビドラマ『東京ドールハウス』で一躍売れっ子になったものの、今は過去の栄光にすがり何とかプライドを保っている崖っぷちのアラサー脚本家・矢崎莉桜(やざき・りお/木村文乃)。彼女は何とか返り咲きたい一心で、自身の講演会に参加した4人の女性に目をつけ、彼女たちからの恋愛相談をネタにすることを決意。4人の話では、彼女たちを振り回す男たちはみんな容姿端麗らしいが、自意識過剰で幼稚で無神経。こんな男のどこがいいのかと、首をかしげたくなるほどの“痛男”なのだ。
だが莉桜は、脚本を書き進めるうちに、4人が語る“痛男”が全て同一人物ではないかと考えはじめる。そんなある日、もう1人の主人公・伊藤誠二郎(いとう・せいじろう/岡田将生)が莉桜の前に現れる。彼は、莉桜が講師をつとめるシナリオスクールへ通う脚本家志望の生徒の1人。口先ばかりでこれまで1度も脚本を書き上げたことのない伊藤は、莉桜が最も軽蔑している生徒だったが、その彼が、なんと自分に関わった4人の女たちの物語を書く企画を挙げているのだ。これまで取材で追いかけてきた“痛男”の正体が、最も見下していた自分の生徒だっただけでもショックなのに、莉桜が再起をかけて取り組んできた渾身のネタまで彼に奪われそうになっている。二重のショックに莉桜が、起死回生をかけて起こした行動とは?
岡田が、関わる女性たちの人生を翻弄する前代未聞の“痛男”の伊藤誠二郎役を。木村が、そんな伊藤の存在に迫っていく崖っぷちの脚本家で“毒女”の矢崎役に扮し、メガホンを『ストロボ・エッジ』や『PとJK』など、最近は青春恋愛映画での活躍が目立つ廣木隆一監督がとる。
木村は「廣木監督とまたお仕事出来ることが楽しみです。こんなにもリアルで、痛くて、知りたくなかった『女であること』、を思い知らされる作品は他にはないと感じました。矢崎莉桜という、右に左に揺れる女性たちの実は一番の理解者で、去る者は追わないけど来る者も拒まない、傷つけている様で傷ついている独特の立ち位置の加減を上手く作り上げていけたらと思っています。伊藤くんは誰の中にもある、乗り越えるべきモノゴトを擬人化した姿なんだろうなと思っています。岡田将生さんとは初共演ですが忘れられない作品になれるように日々積み重ねていきたいです」と述べている。
『伊藤くん A to E』は7月下旬〜約1ヵ月間撮影し、2018年初春の公開を予定している。
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