(…前編「抵抗感がある人にこそ見て欲しい! ダークでバイオレントなBL映画」より続く)
【元ネタ比較】『ダブルミンツ』中編
単なる弱者と強者の構図で終わっていないところが面白い
熱狂的なファンを持つ中村明日美子原作によるBL漫画「ダブルミンツ」が実写映画化された。高校時代から主従関係のような間柄だった支配者・市川光央と従者・壱河光夫の緊張感ある関係を、犯罪と暴力を絡めて描いている。
・女子も萌える! スポ根だけどヲタクな主人公の活躍に熱くなる!
中村明日美子はさすがに面白いな、と思うのは、光央と光夫が強い支配者と弱い支配者という単純な構図に終わっていないところだ。
再会した2人の関係は微妙なバランスを取っていて、強い上の立場と弱い下の立場はくるくると逆転を繰り返す。作中に2人の関係の象徴のようにベターハーフの話が出てくるが、まさにお互いがお互いの欠けた部分を補い合うようだ。一方が形を変えれば、その形にはまるようにもう片方も形を変えるというように2人は流動的に呼応している。
また、従者・光夫に対しては支配者面をしているが、出入りしている組では下っ端の立場でボコボコにやられたりもする。
従者・光夫は支配者・光央の言われるがままになっているように見えて、支配者・光央が思いもよらない行動に出て、彼をたじろがせることもある。はじめに性的なモーションを起こすのも従者・光夫のほうで、支配者・光央のほうがうろたえる始末だ。
便宜上、支配者・光央と従者・光夫と言ってきたが、それも危ういものに思えてくる。とらわれて支配されているのはいったい、光夫なのか? それとも光央なのか? あるいは互いにどちらも支配しているのかもしれない。
(後編「男同士のキスシーンも刺激的! エロティシズムあふれる描写にドキドキ」に続く…)
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