【この俳優に注目】斎藤工/前編
下積み時代には新聞配達も!
妖怪から王子様まで広すぎる振り幅
「もっともセクシーな俳優は?」と聞かれて、おそらく誰もが斎藤工の名前を思い浮かべるだろう。ドラマやCMの影響もあり、ここ数年は不倫や壁ドンといったセクシーな部分にばかり注目が集まりがちではあったが、今回は“俳優・斎藤工”にフォーカスしたいと思う。
15歳でモデルとしてキャリアをスタートさせ、雑誌やパリコレなどで幅広く活躍。その後、2001年の『時の香り〜リメンバー・ミー〜』で俳優デビューをはたし、さまざまな作品で主演も務めている。と、文字にすると順風満帆なように見えるかもしれないが、実際は2014年のドラマ『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』で一躍ブレイクするまで、10年以上にわたって「ネクストブレイク」と言われ続け、長い“潜伏期間”を経験した苦労人。そのため、俳優を続けるかたわら、新聞配達やコンサートの警備など、さまざまなアルバイトもしていたという。
そんな遅咲きの斎藤にとって、明日から映画版も公開されるドラマ『昼顔』は、まさに人生のターニングポイントとなった思い入れの強い作品。それだけに、どのようにしてふたたびこの役を演じるのかに期待も高まったが、今回スクリーンで目にした斎藤は、不倫の代償と葛藤を抱えながら3年間を過ごした男の雰囲気を見事に醸し出している。その姿に観客は昼顔ワールドへと一気に引き戻されるはずだ。事実、主演の上戸彩も本作の現場で、北野裕一郎として存在する斎藤と再会した瞬間に、涙が止まらなかったと話しているほど。
このところ話題作への出演が続いているが、特に2016年は映画出演作が10本を超え、キャリアのなかでももっとも多くの作品に出演した年となった。『無伴奏』では池松壮亮とのラブシーンも注目されたが、『高台家の人々』では絵に描いたような王子様を演じ、『団地』ではダジャレを連発する謎の青年、そして『妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』では妖怪にもなるなど、とにかく振り幅が大きい。さらに、恵まれた体格と持ち前の運動神経のよさで、『HiGH&LOW THE RED RAIN』をはじめ、アクション俳優としての才能を見せているのも見逃せないところだ。
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