女優の吉高由里子が初めて殺人者を演じたミステリー映画『ユリゴコロ』のキックオフ会見が7月9日に東京国際フォーラムで行われ、吉高をはじめ、松山ケンイチ、松坂桃李、清野菜名、佐津川愛美、木村多江、熊澤尚人監督が出席した。
本作は2011年に発表された沼田まほかるによる同名ミステリー小説の実写映画化。ある青年(松坂)が実家の押し入れで美紗子(吉高)という女性が記した殺人の告白ともいえるノートを発見したことから紐解かれる、過去から現在へと続く悲しみの連鎖、そして愛と宿命の渦に巻き込まれる男女の姿を描いている。
『僕等がいた 前篇・後篇』以来5年ぶりの主演に挑んだ吉高は、「結構脚本を読むのは時間がかかるのですが、あっという間に読み終えたのを思い出しました。殺人をする役は今まで演じたことがなかったので、すごく興味が沸いてやってみたいと思い挑みました」と本作の魅力をアピール。
物語は現在と過去が同時進行するが、熊澤監督のこだわりで撮影は別々の時期に。先に撮影を終えた過去編に出演した吉高は「どう2つの話が混ざり合って1つになるのかと早く現代編も見たいです」と期待しつつ、松坂ら現在編の出演者たちと同席していることに「今並んでいますが、全然親近感が沸かなくて。別の現場の方かなというくらい(撮影では)交わっていないので、早く映像になったものを見たいです」と独特の吉高節で笑わせた。
続けて、同じく過去編に出演した松山が「最初に撮るので楽ですよね。現在編の方々は答えを与えられている分、難しいんじゃないかなと思います。こっちは好き勝手にやっていたような気がします」とコメント。その一方、現代編で主要な人物を演じた松坂は「ノートの内容は過去編に関わっているので、そこは(演じた人物と同じように)想像して撮影していきたいと思って、(過去編の映像は)見ませんでした」とこだわりを語った。
松山も笑顔を浮かべながら「そういう人が大好きで。何度か共演はあるけど、僕がただ刺し殺す役や出番が違ったりしたので、今回共演できれ嬉しかったです」と満足げに報告していた。
『ユリゴコロ』は9月23日より全国公開となる。
(text&photo:中村好伸)
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