(…中編「康介と正広のラブストーリーはどのように盛り上がっていく〜」より続く)
【元ネタ比較】『ひとりじめマイヒーロー』後編
不安要素は、支倉×健介の高校生CPの描かれ方
ありいめめこ原作のBL漫画「ひとりじめマイヒーロー」がアニメシリーズ化された。シリアスとギャグがないまぜに描かれてて読みづらい原作漫画より、アニメ版は緩急がつけられ、シリアスな部分は落ち着いたトーンで描かれて感情移入しやすく、満足感が高そうだ。
・男同士のキスシーンも刺激的! エロティシズムあふれる描写にドキドキ
しかしながら、アニメ版も不安要素がまったくないわけではない。主人公の正広は女子に人気のオカン属性男子だが、第1話ではオカン成分は感じられなかった。ただその代わり、次回予告では映像やストーリーと関係なく、“ミョウガの味噌大葉巻き”なるシブい料理のレシピを語りで紹介。これからオカン属性を発揮するのかもしれない。
また、原作漫画ではエッチシーンもあるにはある。筆者は教師攻め×生徒受けって基本は倫理的にアウトって思うほうだけど、この漫画はギャグテイストもあって良い意味でリアリティを感じないので、倫理的なことは気にならなかった。
しかし、原作漫画よりもシリアスな部分はシリアスに描いているアニメ版の方では、そのあたりはどうだろう。エッチシーンまで登場しなくても、キスシーンだけでも見てるほうは複雑な気持ちになりはしまいか? どのようなバランスで描かれるか注目したい。
そして、ここまで言って来なかったが、原作漫画とは違うもっと大きな改変があった。
前述でサラッと触れたように「ひとりじめマイヒーロー」は「ひとりじめボーイフレンド」のスピンオフで時系列的には後の話。「〜ボーイフレンド」のCP(カップル)、同級生である支倉と康介の弟の健介は、「〜マイヒーロー」では一応すでに出来上がってるCPとして話は進む。
しかし、アニメ版では支倉×健介は原作漫画の「〜ボーイフレンド」の序盤が描かれて、まだまだこれから。どうやら「〜マイヒーロー」も「〜ボーイフレンド」も併せて同時進行で描かれるもよう。
この「〜ボーイフレンド」の支倉×健介の高校生CPがまたクセのある2人なのだ。支倉はイケメンだが、何を考えてるのかイマイチわからない執着攻め。健介の方はニブくて天然でピュア過ぎて高校生とは思えないほどのお子ちゃま受けだ。
これからの展開次第では、もしかすると原作漫画よりも良作に仕上がるかもしれないアニメ版。今後どうなるのか、大いに期待だ。(文:矢野絢子/ライター)
『ひとりじめマイヒーロー』は7月よりAT-X、TOKYO MX、BS日テレにて放送中、dアニメストア、dTV、J:comオンデマンド、GYAOなどでも配信中。
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