『ここさけ』実写版、想像以上に良かった芳根京子の好演、そして…

#ここさけ

『心が叫びたがってるんだ。』
(C)2017映画「心が叫びたがってるんだ。」製作委員会 (C)超平和バスターズ
『心が叫びたがってるんだ。』
(C)2017映画「心が叫びたがってるんだ。」製作委員会 (C)超平和バスターズ
『心が叫びたがってるんだ。』
(C)2017映画「心が叫びたがってるんだ。」製作委員会 (C)超平和バスターズ
『心が叫びたがってるんだ。』
(C)2017映画「心が叫びたがってるんだ。」製作委員会 (C)超平和バスターズ

ラブコメ、アクション、ホラー……。どんな映画でも、ついつい“子育て”に結びつけて見てしまうママさんライターが、話題作をママ目線で取り上げます!

【ついついママ目線】『心が叫びたがってるんだ。』前編
実写だからこそ、アニメ版より母親像に共感!

『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の制作スタッフが手がけて再び大ヒットを放った、オリジナル劇場アニメ『心が叫びたがってるんだ。』が実写化された。正直言ってまったく期待せずに見た。アニメならまだしも、実写だと鼻につくんじゃないかと思ったからだ。

これって誰トク!?の大変さ。思春期のコドモは複雑すぎる!

ヒロインの成瀬順は幼い時分に父親の不倫を目撃して、無邪気に母に話したがために両親が離婚してしまい、それをきっかけに人としゃべれなくなった高校生の女の子。悩める切ない少女だが、自己中心的なところもあり、悲劇のヒロインぶっていると思われる恐れがある。

アニメのキャラクターだとワンクッションおいて見ることができて回避できるが、生身の人間が演じるとなるとこのヒロインを好意的に見れないのじゃないかと思ったのだ。しかし、それは杞憂に終わった。『べっぴんさん』の芳根京子が演じる順は素直で健気でまっすぐなキャラクターとして写り、しゃべりたくてもしゃべることができないもどかしさと苦しさがリアルに伝わってくる。好感が持てるという点では、むしろアニメ版よりも実写版のほうが優っていたと思う。

生身の俳優が演じることでキャラクターに好感が持てる効果が得られたのはヒロインに限らない。ともすれば憎まれ役となる順の母・成瀬泉がそうだ。

順がしゃべれなくなってしまった原因の大半は父親の心ない態度にあると思われる。しかし、アニメ版の母親・泉も順の心に寄り添っているとは言いがたい。

いつまでもしゃべれない順をあきらめているようで理解を示さず、彼女がしゃべれないことを恥じて世間に隠すようにし、時にはイラつきを隠さない。アニメ版を見ていると、仕方ないのかもしれないけれど、母親としてもうちょっと思いやりがあってもいいのに、と口惜しく思えた。

しかし、実写版を見ていると、この母親を単純に避難する気持ちにはなれなかった。

後編「大塚寧々の肌のシワを見ながら考えた〜」に続く…

『心が叫びたがってるんだ。』は7月22日より全国公開される。

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