ジム・ジャームッシュ監督によるロック・ドキュメンタリーで、イギー・ポップがフロントマンをつとめる伝説的バンド「ザ・ストゥージズ」を追いかけた『ギミー・デンジャー』。この映画が8月18日に、新宿シネマカリテで開催されていた「カリテ・ファンタスティック・シネマ・コレクション」のクロージング作品として上映され、トークゲストとして、ザ・ストゥージズのファンで、7月に米オークランドで行われた音楽フェスティバル「Burger Boogaloo 2017」でイギーと競演し、世界的に活躍しているロックバンド「ギターウルフ」のセイジが登場した。
・[動画]ジム・ジャームッシュ×イギー・ポップ&ストゥージズ/映画『ギミー・デンジャー』予告編
本作についてセイジは「アメリカのバンドドキュメンタリーは、つまんないインタビューばかりのものが多いけど、これはイギーがたくさん喋っていて、あの時代の暴れてる頃の映像も多くて面白かった」とコメント。
とりわけセイジは、ザ・ストゥージズのライバルで、当時のデトロイト系のパンクの雄として活躍した「MC5」の存在が気になっていたようで、「一番興味があったのは、イギーやストゥージズとMC5がデトロイトでどういうライバル関係にあったかということ。あの時期にライバルがいたおかげで、2つのバンドはすごくなっていったと想像していました。その辺がよく描かれていて、たまんなかった」と嬉しそうに語った。
セイジが、イギーを初めて見たのは1998年の第2回フジロックフェスティバル。ギターウルフが出演したステージのトリをイギーが担当し、セイジもその場にいたという。「会場で見てたんだけど、出番になってもイギーは30分くらい出てこないんですよ。『いい加減にせい、イギー!』って怒り気味で待ってても、なかなか出て来ず、パッと見たら、光の中に立っていて、人間の形をした野獣のようで、オーラがすごくてびっくりした」と振り返った。
また、7月にオークランドで開催された音楽フェスティバル「Burger Boogaloo 2017」でも、ギターウルフとイギーが同日出演をはたしているが、セイジは「最初にオファーがあったときは、俺たちがトリをつとめるって話だったけど、イギーの出演が決まって、イギーがトリになった(笑)」と内情を暴露。
「楽屋で握手してもらおうと思って(パフォーマンス後に)待ってたんだけど、なかなか来ない。どうしたかと思ったら、ステージの横に黒いリムジンが来て、ドアが開いてステージに飛び移り、演奏が終わったら、すぐにまた黒いリムジンに乗って帰っちゃって、挨拶もできず残念でした」と苦笑いを浮かべるも、このステージでのイギーについては「1998年に見てから20年近く経ってて、70歳だけど、筋肉ムキムキで、出てきていきなり客席にダイヴ! なんだ、このジジイ! ケタが違うって思いました。いろんな外タレのパンク連中を見てきたけど、イギーのパワーはほかを隔絶してる」とその偉大さを讃えた。
そして「いまの歳のイギーをまた日本で見たいね。みんなびっくりすると思う」と来日を熱望。改めて映画について「イギー・ポップはケタが違うから、ぜひ楽しんで!」と呼びかけていた。
『ギミー・デンジャー』は9月2日より新宿シネマカリテほかにて全国順次公開となる。
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