アジア最大級の国際短編映画祭SSFF&ASIAのグランプリは、吉田和泉監督『希望のかけ橋』に決定
10歳の少年の視点から描かれる、家族を失い、自立を迫られる孤児の歴史
インターナショナル部門が25年目、アジア部門が20年目の節目を迎えた米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF&ASIA)」。「UNLOCK(解放)」をテーマに開催された今年の同映画祭グランプリ「ジョージ・ルーカス アワード」は、日本人女性の吉田和泉監督によるアニメーション作品『希望のかけ橋』に決定した。
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6月26日、明治神宮記念会館で行われたアワードセレモニーでは、8つのアワードの受賞発表・授与が行われた。国内外から集まった5000本以上の中から選ばれた、世界で唯一のジョージ・ルーカスの名を冠したグランプリは、ポーランド在住の日本人女性監督・吉田和泉によるアニメーション作品『希望のかけ橋/The Bridge』が獲得した。
さらに、翌年のアカデミー賞短編部門ノミネート候補となる、ライブアクション部門(インターナショナル、アジア インターナショナル、ジャパン)およびノンフィクション部門、アニメーション部門の各優秀賞およびスマートフォン映画作品部門supported by Sony’s Xperia、Hoppy Happy Awardも発表された。
グランプリ「ジョージ・ルーカス アワード」受賞の『希望のかけ橋』は、ポーランドと日本の絆を深めた1920年の出来事を映画化。家族を失い、人生を生き抜くために自立を迫られる孤児の歴史を、10歳の少年の視点から語っている。受賞理由は「オリジナルのアニメーションスタイルで繊細に丁寧に紡がれた物語には観る者を引き込む力があり、また未来を憂いがちな今、特に多くの人々に届けたい作品であった」。
吉田和泉監督は1989年生まれ。ウッチ映画大学を卒業。2017年からウッチにあるアートスクールで教鞭を執っている。初の映画作品『Kinki』は多くの映画祭でノミネートされ、Split Film FestivalやAnimatorなどで、数々の賞を獲得した。2019年にはPolish Film Instituteにanimation film domainの専門家として参加した。
また、坂井真紀、萩原聖人、横浜聡子が審査員を務めたライブアクション部門インターナショナル優秀賞は、マニュエル・オモンテ監督『テルエルの彼方へ』が受賞した。村を出たい羊飼いと過去の足跡を追う若い写真家が、古めかしいワゴン車に乗って共に忘れられた地方の隅々を旅する物語だ。
アダム・トレル、松永大司、MEGUMIが審査員を務めたライブアクション部門アジアインターナショナル優秀賞には、マニッシュ・サイニ監督『スカベンジャー』。内田也哉子、ダグラス・モントゴメリー、山戸結希が審査員のライブアクション部門ジャパン優秀賞には、浜崎慎治監督『半透明なふたり』が決定。
さらにノンフィクション部門・優秀賞をジェニファー・レインズフォード監督『宇宙飛行士の心』、アニメーション部門・優秀賞を吉田和泉監督『希望のかけ橋』、スマートフォン映画作品部門supported by Sony‘s Xperia優秀賞を齋藤汐里監督『たゆたい』、HOPPY HAPPY AWARDを上條大輔監督『私たちは他人です』が受賞した。
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