シリーズ最高を記録! ミニオンたちの勢いが止まらない

#映画興収レポート

『怪盗グルーのミニオン大脱走』
(C)UNIVERSAL STUDIOS
『怪盗グルーのミニオン大脱走』
(C)UNIVERSAL STUDIOS

【映画興収レポート/8月】
関ジャニ∞はフル稼働で
『スパイダーマン:ホームカミング』応援!

8月公開作1位は『スパイダーマン:ホームカミング』。公開17日間で興行収入22.6億円をあげた。前作『アメイジング・スパイダーマン2』(最終興収31.4億円)は公開17日間で22.8億円。前作とほぼ同じ出足となっている。

岡田准一主演『関ヶ原』が週末2日間で約4億円の興収記録し首位デビュー

同作は関ジャニ∞がジャパンアンバサダーを務め、映画のために新曲『Never Say Never』を作成。渋谷すばると大倉忠義は6月下旬にロサンゼルスで行われたワールドプレミアに出席したり、メンバー全員が7月27日に東京国際フォーラムで行われた日本語吹き替え版特別試写会に出席。8月11日の公開初日には安田章大、渋谷すばる、大倉忠義が東京・TOHOシネマズ日劇での舞台挨拶に出席。宣伝にフル稼働して注目度を高めた。

2位は『トランスフォーマー/最後の騎士王』。公開24日間で興行収入16.1億円をあげた。前作『ロスト・エイジ』(最終興収29.1億円)は公開24日間で25.9億円。前作の62%の出足となっており、最終興収18億円程度が見込まれる。3D、IMAX、4DX/MX4Dなど特別上映システムでの鑑賞客が多いという。

3位は『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』。

なお、夏映画の興収ランキングTOP5(8月27日時点)は以下の通り。

『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』(65.8億円)
『怪盗グルーのミニオン大脱走』(62億円)
『銀魂』(36.4億円)
『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』(31.8億円)
『メアリと魔女の花』(30.2億円)

特筆すべきはシリーズ最高を記録した『怪盗グルーのミニオン大脱走』と、V字回復を果たした『ポケットモンスター キミに決めた!』だ

『ミニオン大脱走』は『ミニオンズ』の52.1億円を上回るシリーズ最高記録。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンにミニオン・パークがオープンした効果もあり、ミニオン人気は高くタイアップも充実。8月にはマクドナルドでハッピーセットキャンペーンを実施。パルコの夏のグランバザールで「パルコアラ」と「ミニオン」が共演し、CMソングでは怪盗グルーの声を吹き替えた笑福亭鶴瓶が声で出演。Honda SENSINGでは独自アニメーションによるCMが製作された。

ファミリー層以外の女子中高生や20代30代女性を取り込むのに効果を発揮したのがLINE。登録者が1000万人を突破したユニバーサル・ピクチャーズの公式アカウントでの情報発信に力を入れたり、ミニオンのスタンプを無料で配布するなどした。

一方、『キミに決めた!』は20周年記念作。14作目『ベストウイッシュ ビクティニと黒き英雄 ゼクロム・白き英雄 レシラム』が興収43.3億円を記録して以降、年々興収を下げており、前作の19作目『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z ボルケニオンと機巧のマギアナ』が21.5億円だった。サトシとピカチュウが本当のパートナーになるまでを描く、『ポケモン』原点回帰的な内容。かつてポケモンを見た世代も取り込み、V字回復に成功した。(文:相良智弘/フリーライター)

[8月公開作ランキング]
1位『スパイダーマン:ホームカミング』22.6億円
2位『トランスフォーマー/最後の騎士王』16.1億円
3位『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』9.1億円
(8月27日時点。ムビコレ調べ)

相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。

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