女優の長澤まさみが9月9日、新宿ピカデリーで行われた映画『散歩する侵略者』初日舞台挨拶に松田龍平、長谷川博己、高杉真宙、恒松祐里、黒沢清監督とともに出席した。
本作は、劇作家・前川知大率いる劇団イキウメの人気舞台「散歩する侵略者」を、『クリーピー 偽りの隣人』の黒沢監督が映画化。夫が侵略者に乗っ取られて帰ってくるというアイデアをもとに、日常が異変に巻き込まれていくさまを描いたサスペンス、アクション、ラブストーリーがまざった新しいエンターテインメント作品だ。
長澤は、松田演じる真治の妻・鳴海役として出演しているが「本当の夫婦に見えるようにお芝居ができれば」と本作に臨む際に心がけたことを挙げると「私はずっと怒っている役だったのですが、怒りのなかにある優しさや悔しさをいかに出せるかを考えながら演じていました。人間らしい役を演じられて勉強になりました」と黒沢監督に感謝の言葉を述べていた。
そんな長澤に黒沢監督は「長澤さんは『こうしてください』とお願いすると、『あっ、ハイ』とちょっと虚無的な、うれしいような困ったような顔をされるんです。でも何でもやってくれるんですよ」と撮影を振り返り、松田に対しても「彼も何かを尋ねると、フッと1回笑って『大丈夫です』とワンテンポあるんですよね」と特徴を語った。
本作はすでに、カンヌ国際映画祭(フランス)、シッチェス・カタロニア映画祭(スペイン)、ニューヨーク国際映画祭(アメリカ)で上映されたが、10月に行われる釜山国際映画祭(韓国)での出品も発表された。黒沢監督は「ヨーロッパやアメリカでも上映され、次はアジアです。韓国は素晴らしいエンタメ作品が多く、どういった感想を持たれるのか楽しみです」と抱負を語っていた。
(text&photo:磯部正和)
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