【映画興収レポート/9月】
夏映画を制したのは『ミニオン』
9月公開作の1位は『ダンケルク』。クリストファー・ノーラン監督が、第2次大戦時、英仏連合軍40万人をフランスの町ダンケルクから救出した実話を描く。公開16日間で興行収入12億円をあげた。
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ノーラン監督の前作『インターステラー』(最終興収12.5億円)は公開16日間で7.7億円。56%増の出足となっている。8月下旬にノーラン監督が来日。ジャパンプレミアには山崎貴監督、記者会見には「EXILE」「三代目J Soul Brothers」の岩田剛典が出席した。岩田は宣伝アンバサダーとしてテレビCMに起用され、映画会社は彼のファンである若い女性客を狙った。また8月10日のIMAX版完成披露試写会には坂上忍、公開中の9月13日のイベントには将棋棋士の加藤一二三氏とタレントの高樹千佳子が参加してPRに務めた。
2位は『三度目の殺人』。『そして父になる』の是枝裕和監督が福山雅治と再びタッグを組んだ裁判ドラマだ。殺人の前科がある三隅(役所広司)が新たな殺人の容疑で起訴され、犯行を自供し死刑はほぼ確実。弁護を担当することになった重盛(福山)は面会を重ねるたびに、本当に彼が殺したのか確信が持てなくなっていく、というストーリーだ。7月末の完成披露試写会には是枝裕和監督をはじめ主演の福山雅治、共演の役所広司、広瀬すずらが出席。ベネチア映画祭のコンペ部門に選出されたことから、9月5日の公式上映にあわせて是枝監督、福山、役所、広瀬が参加した。また公開中の19日のイベントには是枝監督と福山が参加した。さらに公開日の9月16日には製作したフジテレビ系で『そして父になる』を放送した
3位は『エイリアン:コヴェナント』。『プロメテウス』(12年)に続き、エイリアン誕生の謎をリドリー・スコット監督が描く。公開10日間で興行収入5.6億円をあげた。『プロメテウス』(最終興収18.1億円)が公開10日間で13億円。43%とやや物足りないの出足となっている。9月4日のイベントにはタレントの岡田結実が出席。9月5日に大阪・新世界の通天閣で開催されたイベントでは、幸運の神様として有名な「ビリケンさん」の顔をエイリアンが覆い、話題作りに一役買った。
[9月公開作ランキング]
1位『ダンケルク』12億円
2位『三度目の殺人』10.3億円
3位『エイリアン:コヴェナント』5.6億円
(9月24日時点。ムビコレ調べ)
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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