宮崎駿監督が10年ぶりに手掛けた『君たちはどう生きるか』が7月14日から公開された。宣伝を一切せず、予告編がなく、吹き替えキャストやストーリーが発表されない異例の公開。14日(金)から17日(月)までの4日間で興収21億4900万円をあげた。
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2013年公開の『風立ちぬ』を最後に長編作品から退くことを表明した宮崎監督が、引退を撤回して挑んだ作品。原作・脚本も務めたオリジナルストーリーとなり、タイトルは、宮崎監督が少年時代に読み、感動したという吉野源三郎の著書『君たちはどう生きるか』から借りたものとなっている。公開4日間で21億4900万円は宮崎作品としては大ヒットスタートだ。
宮崎作品の2つの近作のスタート時の興行成績は、08年『崖の上のポニョ』公開2日間で10億2600万円、13年『風立ちぬ』公開2日間で9億6100万円となっている。
また『君たちはどう生きるか』は、昨年から今年にかけて公開された大ヒットアニメと比較してもそん色ない。
『ONE PIECE FILM RED』公開2日間で22.5億円
『すずめの戸締まり』公開3日間で18.8億円
『THE FIRST SLAM DUNK』公開2日間で13億円
『名探偵コナン 黒鉄の魚影』公開3日間で31.5億円
宮崎監督が2013年に引退を宣言し、23年までの10年間でアニメ映画を取り巻く興行環境は大きく変わった。2000年から13年までで興収100億円を超えるアニメ映画は宮崎監督作だけだった。
2000年~2013年
『千と千尋の神隠し』01年、316.8億円
『ハウルの動く城』04年、196億円
『崖の上のポニョ』08年、155億円
『風立ちぬ』13年、120.2億円
その後、宮崎監督に代わるヒットメーカーになったのは新海誠監督だ。
『君の名は。』16年、251.7億円
『天気の子』19年、142.3億円
宮崎作品、新海作品とも3~5年に1本の公開で興収100億円超えを記録した。
20年でさらに潮目が変わる。10月に公開された『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』だ。コロナ禍の真っただ中だったこともあり、シネコンでは新作が少なく、複数の上映スクリーンを「鬼滅の刃」に割くことができた。シネコンでの上映回数は通常は1日5回のところ、10回以上は当たり前。15回を超えるシネコンも多くあった。これが大ヒットスタートを後押しし、空前のブームを生み出した。コロナ禍で動画配信サービスの会員数が伸び、テレビシリーズを見逃した人がキャッチアップできたことも動員増の要因だろう。20年以降は毎年100億円超えの作品が生まれるようになった。新海作品に加え、テレビアニメの映画化が100億円興行の中心となった。
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』20年、404.3億円
『劇場版 呪術廻戦 0』21年、138億円
『ONE PIECE FILM RED』22年、197.1億円
『すずめの戸締まり』22年、147.9億円
『THE FIRST SLAM DUNK』22年、148.4億円(7月17日時点)
『名探偵コナン 黒鉄の魚影』23年、134億円(7月17日時点)
『君たちはどう生きるか』は、『THE FIRST SLAM DUNK』『名探偵コナン 黒鉄の魚影』にどこまで迫れるだろうか。注目したい。(文:相良智弘/フリーライター)
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