北野武監督の人気シリーズ最新作にして、監督18作目となる『アウトレイジ 最終章』が10月7日に公開となり、新宿ピカデリーで行われた初日舞台挨拶に、監督・主演をつとめた北野をはじめ、西田敏行、大森南朋、ピエール瀧、松重豊、大杉漣、金田時男が登壇した。
花菱会の若頭・西野役を演じた西田は、満席の場内を見渡すと「花菱会を代表して心より御礼申し上げます」と感謝の挨拶。「誰が生き残るのか」が注目でもある本作にかけ、長い間、芸能界の第一線で活躍を続ける西田に、MCが生き残る術を問うと「風が吹く方向に向かってしっぽを振って歩いていくことですね」と冗談めかして答え、場内は笑いで沸いた。
続いて、花菱会の新会長・野村役の大杉が挨拶。本作が9年ぶりの北野監督作品への出演となったが「シリーズへの出演は夢にも思っていなかった」と語り、「北野組というのは僕にとって独特で、こうやって帰って来たんだなあと、いま心がいっぱいです」と感慨深げにコメント。新会長という立場ながら、ポロシャツ姿など服装もバラエティに富んだ野村という個性的なキャラクターについて「ある意味深い役だなと思って、楽しんで演じさせていただきました」と話した。
また、本作が初めての北野監督作品出演となった花菱会直参幹部・花田役のピエール瀧は「初参加でわからないまま撮影に入りましたが、わからないまま終わってしまった気もします(笑)」と振り返り、自身が演じたキャラクターについては「変態のヤクザということで、いつも通りというか、プライベートを出しすぎないようにやるのが大変でした」と笑いを誘う。さらに、刺青を体に描くのに8時間かかったそうで、「(それを)2回やったのですが、いま考えると2回目の背中の方は描かなくてもよかったんじゃないかと、今気づいたところです」とぶっちゃけ、会場を盛り上げていた。
前作『アウトレイジ ビヨンド』に続いての出演となった張会長役の金田は「監督の脚本を手に取り、読めば読むほどに、今の時代であっても義に徹することを強く意識して作られたのかなあということを感じました」と語り、本業が実業家であることから「私のような素人がこうしてみなさんの前で挨拶をさせていただき、こんなに素晴らしい出演者のみなさまと共演させていただけたのは、一生の思い出になりました。ありがとうございました」と話した。
同じく、前作に続いての出演となったマル暴の繁田刑事役を演じた松重は「“全員悪人”という中で、1人だけ善良な公務員がいていいのかなあという気持ちでした(笑)」とコメント。「前作では撮影の途中から、出演者たちの中で『どうしても死にたくない』という雰囲気が出ていて、(殺された)桐谷健太さんや新井浩文さんとかは、倒れていても『まばたきをしようか』『足を少しだけ動かそうか』なんて(笑)。生き残りにかけた男たちの物語でした。そんな中で生き残れたというだけでも光栄でした」と続投への喜びを語った。
西田は「毎回すべてに思い出があります。撮影初日のクランクインの時に、私と塩見三省さんは体調を崩した後(復帰しての撮影)でしたが、監督からすごく気を遣ってくださって、義理と恩を感じています」と北野監督へ感謝の意を述べた。
最後に北野武監督から「これは3部作だけど、自分なりにうまいまとめ方をしているなあと思っていて、自分で編集をしていて、映像としてもいいなあとかなりの自信作で、楽しんでもらえると思っています。みなさんに楽しんでいただき、また5円でも10円でも払っていただければ(笑)。ありがとうございました」と語り、大きな笑いと拍手が鳴り止まないまま舞台挨拶は終了した。
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