櫻井佑樹と髙松アロハが演じるBLドラマの切なくてもどかしい世界観！

ハル原作『4月の東京は…』の実写ドラマがいよいよ最終話へ

ハルが手掛ける人気BLコミックを実写ドラマ化した『4月の東京は…』が次回、最終回を迎える。『高良くんと天城くん』や『永遠の昨日』などを放送してきたMBSのドラマシャワー枠とKADOKAWAが手掛けるBLドラマレーベル・トゥンクが2023年度も続行すると決定して、コラボ企画第1弾として発表されたのが本ドラマだ。原作者のハルは『アクマと契約』が人気となり、『4月の東京は…』が発売された当初も「切なすぎる」「泣ける」と評判になった。

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涼やかな目もとが原作コミックのイメージにぴったり

本作はお互いに初恋の相手、そして初めての相手である2人が10年ぶりに再会するようすを描いたラブストーリー。10年ぶりにアメリカから帰国し、広告代理店に新入社員として入社する滝沢和真を演じるのは劇団EXILEの櫻井佑樹。同じ広告代理店に凄腕のアートディレクターとして勤め、和真と再会することになる石原蓮には超特急の髙松アロハが扮している。Z世代を中心に人気急上昇中の2人がW主演を務めることも注目されている。

（C）ハル／大洋図書

キャストを知ったときはとにかく、2人ともキリッとつっていて涼やかな目もとが原作コミックの和真と蓮によく似ていると思った。顔だけじゃなく、ドラマが進むにつれてキャラクターの持つ雰囲気もそれぞれ上手く醸し出されていた。和真はまっすぐで純真で蓮への愛がだだ漏れている、とてもかわいいワンコだ。蓮は和真が惚れ込むのも納得できるほど美しく繊細で、実はちょっぴり抜けたところもあってそんなところも魅力だ。

なぜセフレ？ 中学生時代の出来事が徐々にわかり…

ドラマの序盤の10年ぶりの再会では、和真ばかりが驚いて興奮するのに比べ、蓮の方は「あぁ、久しぶり―」となんてことのないように振る舞うが、蓮がわざとそう見せかけていたことが後でわかる。和真と肉体関係を持っても、蓮はあくまでセフレでいようと提案して、和真と距離をおこうとする理由も。そして、10年前の中学時代に何があって、蓮がどんなふうに過ごしていたかということも徐々に判明する。

おそらく自分が同性愛者であることを自覚していた蓮は、中学時代に半ば自暴自棄的に和真と肉体関係を持つが、和真はその後に感染症で意識不明の重体となる。そのために和真は知らないでいた、蓮の身に何が起きていたかを。蓮は素知らぬ顔をしながら巨大なトラウマを抱えつつ、和真を思って自分が犠牲になってでも和真を事実から遠ざけていたのだ。

中学時代を演じたキャストも瑞々しい好演

和真が真実を知る前、セフレと言いつつ恋人同士のように過ごしていた時間が幸せでキラキラと輝いて見えるからこそ、そのギャップが余計に切ない。櫻井も髙松も屈託のない笑顔が眩しいぐらい素敵で、逆に胸を締め付けられる。また、中学時代を演じた和真役の竹野世梛も蓮役の光延ジヨウも、役柄と同年代で瑞々しい好演を見せていて印象深いことも言及しておきたい。

原作のドラマチックな物語を大仰にし過ぎずに、美しく柔らかい映像とともにこまやかに描いて見せた本ドラマ。これからクライマックスを迎え、和真の前から姿を消した蓮と真実を知った和真を、和真のパワハラ上司の事件を交えてどのように描くのか、しっかりと見届けたいと思う。蓮と和真の幸せな顔がどうか見られますように。

原作コミックでは後日談の短編もおすすめ

ドラマがどこまで描かれるのかはわからないが、原作コミックでは後日談の短編『4月の東京は…2023』やシリーズの『東京―四季―』、『東京―臨界点―』もある。甘々が好きな筆者は『東京―四季―』の下巻に収録されている和真と蓮を描いた「春」が大好きなので、興味のある方にはぜひ読んで欲しい。あと、ドラマの第7話で蓮のフランス時代の友だちで懐の深い八神のファンになった方もいると思うので、『東京―四季―』上下巻に収録された八神の物語「夏」をおすすめしたい。（文：牧島史佳／BLライター）

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(C）「4月の東京は…」製作委員会・MBS

●ドラマシャワー『4月の東京は…』（全8話）は下記にて放送中。
MBS／毎週木曜25：29～、テレビ神奈川／毎週木曜25：00～、群馬テレビ／毎週火曜24：30～、とちテレ／毎週水曜25：00～、テレ玉／毎週木曜23：00～、チバテレ／毎週木曜23：00～、ほかCS放送「女性チャンネル♪LaLa TV」8月20日（日）23：30～放送スタート
※TVer、MBS動画イズム、で見逃し配信1週間あり。U-NEXT、Hulu、ニコニコチャンネル「トゥンク」で見放題配信中