映画『ゆらり』が11月4日に公開となり、池袋シネマ・ロサで行われた初日舞台挨拶に登壇した遠藤久美子が、夫で本作の監督でもある横尾初喜(よこお・はつき)からサプライズで手紙を読まれ号泣した。
本作は、わずか10日間の公演で2000人以上を動員した西条みつとし主宰のTAIYO MAGIC FILMの人気舞台「ゆらり」を、西条自らの脚本により映画化。舞台挨拶には遠藤と横尾監督、原作・脚本の西条をはじめ、岡野真也、萩原みのり、遠藤久美子、高橋幸聖(子役)、大橋彰(アキラ100%)、鶴田真由も登壇した。
この作品が映画初出演となったアキラ100%は、ご存知の通り、裸芸で今年の「R-1ぐらんぷり」を制しブレイク中のピン芸人。この映画にはきちんと服を着て出演しているが、そのきっかけとなったのは、本作の原作であるオリジナルの舞台に出演していたこと。
この日は、本作が「伝えられなかった想い」を抱える人々が家族の絆を取り戻す姿を描いた作品であり、「今度こそ伝えたい、胸いっぱいの愛を」というキャッチコピーと主題歌「手紙」にちなみ、アキラ100%が売れる前から、彼のことを舞台で役者として何度も起用してくれた西条への手紙が読み上げられた。
アキラは「西条さん、『ゆらり』公開、おめでとうございます。西条さんがうちの事務所のネタ見せ作家をしている縁で、舞台に出ないかと声をかけていただいたのが、舞台出演へのきっかけでした。ネタを見てくれている作家さんは何人かいるのですが、西条さんはほかの方とはちょっと違う角度から的確なアドバイスをしてくれていました。今だから言えるのですが、自分であまりいいネタじゃないなと思っている時は、西条さんにネタを見ていただくのがすごく嫌でした。カッコ笑い」と読み上げ会場の笑いを誘う場面も。
続けて「舞台の稽古に入ると印象的だったのが、細部にまでこだわり、本番ギリギリまでいい方法を探すという姿勢です。声をかけていただいた当時、コンビを解散し、ピンになって、なかなかいいネタができなくて悩んでいました。なので、ここまでこだわらないといいものはできないんだと勉強になりました。あの時声をかけていただいていなかったら、きっと今の自分は違ったと思います。これからもたくさん素敵な作品を作り出すと思いますが、自分も西条さんの背中を追いかけて頑張ります。これだけ言わせてください。忙しくてもちゃんと食べて、ちゃんと寝てください」と感謝の言葉を述べた。
これに西条は「アキラがテレビで活躍する前からずっと一緒にいたので、テレビで売れていった時もすごく嬉しかったし、映画に出てもらえたりするのもすごく嬉しくて、自分の舞台を見たお客さんがアキラを見て、『あの人誰? 面白いね』と言ってくれていたのが、どんどん色んな人に見てもらえるようになったのが個人的に嬉しいです」と応じていた。
一方、横尾監督と遠藤は本作撮影後の2016年7月に結婚し、今年2月に男の子を授かっている本物の家族。その横尾監督からも、妻・遠藤への手紙が読み上げられた。
横尾監督は「こんなプライベートな手紙を」とちょっと照れたような仕草を見せつつ「久美へ。去年の夏にサプライズのプロポーズで手紙を読んでから、2度目の手紙ですね。あの時言ったように、家族も増え、毎日楽しく過ごせていること、本当に久美のおかげです。感謝しています」と読み始めた。
「私は主人と出会ってからサプライズばかりを受けていて、毎回泣かされているんですけれど、まさかみなさんの前で…。ごめんなさいね、2人だけでやってほしいですよね」と話し、場内は大爆笑に。
さらに遠藤は「この映画の撮影に入った時、私はまだ未婚で、公開を迎えた今は一児の母であり、母になってわかる、親が子を思う気持ちみたいなものを、今毎日息子を見て感じています。この映画は、ただ『感動する』とか『宝物の映画です』だけでなく、主人の思いがたくさん詰まった家族の愛の映画です。私はこの作品とともに、母親として育っていくんじゃないんでしょうか。親とは何なのかを学ばせていだきました」と最後まで感動の涙を浮かべながら話していた。
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