【映画興収レポート/10月】
上映館絞り「いつでも満席状態」のヒット作とは?
10月公開作の1位は『アウトレイジ 最終章』(13.6億円)。北野武監督・主演で暴力団組織の抗争を描くバイオレンス映画の3作目にして最終章だ。前作『アウトレイジ ビヨンド』の興収14.5億円にあと1億円あまりと迫っている。映画に出資しているテレビ東京では公開1週間前にビートたけしが出演する朝の番組『おはよう、たけしですみません』を5日間連続で放送したり、公開前の10月1日(日)には夜にスペシャル番組『たけしのよくできてるTV』と『アウトレイジ ビヨンド』を連続して放送。さらに、他局でもTBS系『ぴったんこカンカン』や日本テレビ系『しゃべくり7』などの人気番組にたけしとキャストが出演してPRに務めた。
・北野監督「うまいまとめ方している」と『アウトレイジ 最終章』を自画自賛
北野は『HANA-BI』でベネチア映画祭金獅子賞を受賞し世界的に評価されるようになったが、日本での興行成績はいまひとつ。03年『座頭市』(28.5億円)以外は興収10億円超えのヒット作と無縁だった。その後、『アウトレイジ』を10年に発表し、12年『アウトレイジ ビヨンド』が14.5億円、15年『龍三と七人の子分たち』は16億円と連続してヒットを記録。『アウトレイジ 最終章』もヒットと興行成績でも実績を残している。
3位は『劇場版 Fate/stay night Heaven’s Feel I. presage flower』(9.7億円)。人気ゲーム『Fate/stay night』を3部作でアニメ映画化する劇場版の第1部。監督や声優が登壇する初日舞台挨拶を新宿バルト9など3館で計6回実施。特に新宿バルト9での初日プレミアイベント付舞台挨拶は全国125館へライブビューイングされた。また来場者特典としてポストカードセットを配布。さらに上映館でゲームアプリを起動すると、公開1週目から4週目まで週替わりでスマートフォンに来場者限定特典がダウンロードできるキャンペーンも実施し、集客に一役買った。全国128スクリーンと上映館数を絞った興行で「いつでも満席状態」の口コミで人気を広げている。(文:相良智弘/フリーライター)
[10月公開作ランキング]
1位『アウトレイジ 最終章』13.6億円
2位『ナラタージュ』10.2億円
3位『劇場版 Fate/stay night Heaven’s Feel I. presage flower』9.7億円
(10月29日時点。ムビコレ調べ)
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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