【興行トレンド】大流行の“ユニバース”って何だ!?
複数の映画が1つの世界観を共有!
DCコミックのヒーロー、バットマン、ワンダウーマン、フラッシュ、アクアマン、サイボーグが集結する『ジャスティス・リーグ』(11月23日公開)。スーパーマンが登場する『マン・オブ・スティール』(13年)からスタートした「DCエクステンデッド・ユニバース」の集大成的な作品だ。
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ハリウッドでは今「ユニバース」が大流行りだ。「ユニバース」とは複数の映画が1つの世界観を共有すること。登場キャラクターが相互に行き来し、世界観を広げて物語を構築する。元々はアメリカン・コミックで培われてきた手法で、映画に持ち込まれた。
MCUが興行的に成功を収めたことで、他社が追随する動きが活発になっている。ワーナー・ブラザースは「DCエクステンデッド・ユニバース」と、ゴジラとキングコングが登場する「モンスターバース」をレジェンダリー・ピクチャーズと共同で製作。ユニバーサルは『ザ・マミー/呪われた砂漠の女王』からモンスターが登場する「ダーク・ユニバース」を始動させた。ユニバーサルはディズニー(マーベル)やワーナー(DC)のようにコミック原作を持たないため、ミイラやジキル博士などこれまで自社で手掛けてきたクラシック・モンスター映画に着目した。
『スパイダーマン:ホームカミング』がMCU入りしてリブートに成功したソニー・ピクチャーズでは、『ヴェノム』『シルバー&ブラック』とスパイダーマンの悪役キャラクターを登場させる「スパイダーマン・ユニバース」を作る考えだ。
リブートにスピンオフ…シリーズ映画を分類!
ところで、シリーズ映画の作り方は「ユニバース」を含め大きく5つに分類される。1つめは単純な「続編」。シリーズ映画の基本形で、主人公は同じだが、異なるストーリーが展開される。『パイレーツ・オブ・カリビアン』のように出演俳優が同じ作品が多いが、『007』のように異なることもある。
2つめは「ユニバース」。3つめは「プリクエル」。人気シリーズの前日談で、『猿の惑星:聖戦記』『エイリアン:コヴェナント』が該当する。
4つめは「スピンオフ」。主人公以外で人気を得たキャラクターを主役にした作品で、来年公開でハン・ソロの若き日を描く『ソロ/スター・ウォーズストーリー』(原題)が該当する。
最後の5つめは「リブート」。キャストと監督を一新させてシリーズを再スタートさせること。1作品しか作らない「再映画化」(リメイク)と異なり、シリーズ化が前提。ちなみに、『スパイダーマン:ホームカミング』は『アメイジング・スパイダーマン』に続く、スパイダーマン2度目のリブートだ。(文:相良智弘/フリーライター)
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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