(…前編「2位に240億円差! 15年連続、映画界のダントツ勝ち組は?」より続く)
【興行トレンド】2017年の勝ち組・負け組/後編
2017年の映画会社の勝ち組・負け組を「日本編」「ハリウッド編」の2回に分けて取り上げます。今回はハリウッド編です。
1月〜12月10日までの映画会社別の総興行収入を見ると、勝ち組の筆頭はワーナー・ブラザーズの20億600万ドル。『ワンダーウーマン』(4億1300万ドル)、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(3億2700万ドル)、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2億3400万万ドル)が大ヒットしたほか、『ダンケルク』(1億8800万ドル)、『LEGOバットマン・ムービー』(1億7600万ドル)『キングコング:髑髏島の巨神』(1億6800万ドル)『アナベル:死霊人形の誕生』(1億200万ドル)が1億ドル超えのヒットとなった。11月17日公開『ジャスティス・リーグ』は2億ドルを超えた。
・新記録樹立の快進撃!「焦って量産しない」の哲学が活躍の秘訣?
ちなみに、『イット』は『エクソシスト』を上回り、ホラー映画歴代興収新記録を樹立した。同作はスティーブン・キング原作の中でもテレビドラマ化されたことのある人気作。17歳以下は保護者の同伴が必要な「R指定」となっているが、劇中の子どもたちが最も恐れる姿に形を変えて現れるピエロの不気味さが“怖いもの見たさ”の観客に受けたようだ。
2位はウォルト・ディズニーの18億3900万ドル。『ローグワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(5億3200万ドル)、『美女と野獣』(5億400万ドル)と年間ランキング1&2位を独占したほか、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(3億9000万ドル)、『モアナと伝説の海』(2億4900万ドル)が大ヒットした。ちなみに、『ローグワン』は歴代興収7位を記録しており、『スター・ウォーズ』は番外編でも絶大な人気だ。
一方、負け組はメジャー6社中、最下位のパラマウント(5億600万ドル)。これで6年連続の最下位となった。興収1億ドルを超えたのは『トランスフォーマー/最後の騎士王』(1億3000万ドル)のみ。夏の勝負作『ベイウォッチ』は5800万ドル、15年ぶりにザンダー・ケイジ役に復帰した『トリプルX:再起動』も4500万ドル止まりだった。
パラマウントの公開本数は10本。メジャーで最も少ないのはディズニーの6本。ディズニーは『スター・ウォーズ』、マーベルのヒーロー映画、ディズニーアニメーション、アニメでおなじみのキャラクターを実写映画化とラインナップの柱がしっかりしているのに対し、パラマウントは戦略がうまく行っていないようだ。(文:相良智弘/フリーライター)
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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