原作と映像化された作品を、重箱の隅をつつくように細か〜く比較する【元ネタ比較】。今年最後となる今回は、2017年のベスト6を紹介!
【元ネタ比較】2017年のベスト6
2017年もさまざまな原作を持つ元ネタ映画たちが制作され、楽しませてくれた。とくに今年は今月公開された『鋼の錬金術師』をはじめとして、『銀魂』『ジョジョの奇妙な冒険〜』『亜人』『東京喰種』などなどメガヒット級のコミックが超大作となってスクリーンを賑わせた。それらの大作は入っているか否か、筆者の個人的な2017年のベスト元ネタ映画を発表しよう。
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●第6位
『東京喰種 トーキョーグール』
人肉を食すモンスターと戦うド派手アクション!…ではなくて、主人公がモンスターとなってしまい、人肉を食す苦悩や追っ手をかわしての潜伏生活など、ダークファンタジーとしての面白さはありつつ、意外と地味めな原作。そんな世界観を壊して売れ筋狙いのお祭り映画にしてしまわずに、あくまで原作に沿ってモンスターの苦しみをリアルに描いた姿勢を買いたい。それでいてマスクや変態した姿は原作イメージ通りでカッコよくて良かった。
●第5位
『逆光の頃』
原作は「コップのフチ子」の企画・原案やギャグ書籍「バカドリル」の作者として有名なタナカカツキによる同名コミック。作者の初期作品となる原作は笑いを狙ったものではなく、青春の日常に埋もれたきらめきやくすぶりをすくい取った青春抒情詩。映画版でも印象的な映像で見せながらリリカルな雰囲気を再現している。主演の高杉真宙も透明感あって好演。
●第4位
『ReLIFE リライフ』
漫画アプリ・comicoの看板作品で単行本も累計150万部突破し、TVアニメシリーズ化もされた人気コミックを映画化。27歳で会社を辞めて人生に行き詰まった主人公が謎の研究所の薬で若返り、高校生活をもう一度やり直す一捻りした青春ファンタジー。漫画でなら許される、コミカルでありながらシリアスで重い要素もあり、なおかつ非現実的なファンタジーという内容を白けさせずにうまく実写化してくれた。
●第3位
『夜は短し歩けよ乙女』
山本周五郎賞を受賞している森見登美彦による同名小説のアニメ映画化。『夜明け告げるルーのうた』の湯浅正明監督をはじめ、同原作者の同名小説をTVアニメシリーズ化した『四畳半神話大系』のスタッフが集結している。原作の持ち味である、やけに説明的で理屈っぽい文章をモノローグとして畳み掛けながら、ちょっぴりシュールな世界があれよあれよと展開していく。摩訶不思議な冒険が楽しい。
●第2位
『KING OF PRISM-PRIDE the HERO-』
応援上映ブームの火付け役である『キンプリ』がパワーアップした『キンプラ』!女児向けアーケードゲームのTVアニメシリーズ化のスピンオフであるが、元ネタを知ってても知らなくてもとにかく楽しめる。イケメンのキャラクターが飛んだり跳ねたり全裸になったり(!)、脳細胞が破壊されそうなブッ飛んだ映像と演出が飛び出す。さらにペンライトを振ってセリフの合いの手のコールを叫ぶ、参加型の応援上映は『キンプラ』でこそ真価を発揮!
●第1位
『銀魂』
入江奈々(いりえ・なな)
兵庫県神戸市出身。都内録音スタジオの映像制作部にて演出助手を経験したのち、出版業界に転身。レンタルビデオ業界誌編集部を経て、フリーランスのライター兼編集者に。さまざまな雑誌や書籍、Webサイトに携わり、映画をメインに幅広い分野で活躍中。
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