役所広司、白石和彌監督らが渾身映画『孤狼の血』で記者会見！

#役所広司 2017.12.29

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左から新原芳明呉市長、松井一實広島市長、柚月裕子、さいねい龍二、役所広司、阿部純子、白石和彌監督、湯崎英彦広島県知事

映画『孤狼の血』の合同記者会見が12月27日に舞台となった広島で行われ、主演の役所広司、「原作にないミステリアスな存在」を演じた若手女優の阿部純子、柚月裕子（原作）、白石和彌監督が登壇した。

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本作は昭和63年、暴力団対策法成立直前の広島を舞台に、暴力団同士の抗争と、捜査のためなら違法行為も厭わないマル暴刑事の大上章吾（役所広司）と、その相棒となった新人刑事の日岡秀一（松坂桃李）らの血で血を洗うようなせめぎ合いと生き様を、熱く激しく描いたバイオレンス映画。

役所は「広島・呉のみなさまにお世話になり、やっと映画が完成しました。映画が完成して初めての会見を広島でできたこと本当に幸せに思っています」と挨拶。

「何を目指して映画を作っていたのか？」と聞かれた白石監督は「東映のプロデューサーから『仁義なき戦い』のような、東映が過去に作っていた『エネルギーのある勢いや力強さ』を映画に取り戻したいというお話をいただきました。とても監督冥利に尽きる思いでしたし、プロデューサーの方々の熱量に自分が感染してできた作品でした。ただ『仁義なき戦い』など過去の作品と同様のものを作り上げるのは難しいので、その中で何ができるのかを考えました」と語った。

そんな監督の気持ちを受け止め、どのように役に取り組んだのかを聞かれた役所は「監督と初めてお会いした時に『近年の日本映画は元気がないから元気な映画を作りたい』と言われ、脚本を読むとそのエネルギーを感じました。監督からテレビではできないような演出を指示されることもありましたが、シートベルトをしなくていい、映画ならではでしかできないことも多く、とても男らしい映画ができたと思います。役作りというところでいうと、呉弁を撮影間近まで繰り返し練習し、体にしみこませて挑みましたが、大上に自分を近づけていくことができたので、呉弁は大きな味方でした。呉のみなさんに恥じないように頑張ったのですが、みなさんどうでしょうか？」と問いかけ、笑いを誘った。

原作には登場しない岡田桃子役を演じた阿部は「現場では監督や指導の方々に支えていただけて、私としてはこの作品に携われたことがとても嬉しく思いました。現場で呉弁を練習していたら、役所さんが私のセリフのイントネーションまで覚えてくださって、現場でフォローしてくださったんです。役所さんが演じる大上は頼りになる男性なのですが、今まさにここに『大上がいる！』と感じました」と本作へ参加した思いを口に。

原作者の柚月は、自身の小説が映像化された感想について「映画は圧倒されるくらいの熱量で、いい意味で驚きました。小説には活字でないと成り立たないミステリー要素の部分があるので、どうやって表現するのかと思っていたのですが、『このように演出するのか』というようにとても感動しました。キャストの方々はスクリーンの中とでは別人で、まさにプロ、とてもすごいことなのだと実感しました」と述べた。

また、合同記者会見が終わった後は、映画完成後全国初イベントとなる「キックオフパーティー」も開催され、合同記者会見に登壇した4人に加え、俳優のさいねい龍二も登場。さらにこの日は、映画完成を祝い、広島県知事の湯崎英彦氏、広島市長の松井一實氏、呉市長の新原芳明氏も登壇。映画『孤狼の血』にちなんで作られたオリジナルカクテル「ブラッディウルフ」で乾杯した。

最後に役所は「映画はこれからいろいろな国や街で公開されますが、この広島から旅立っていくこの映画をかわいがってもらえればと思います」と抱負を語っていた。

『孤狼の血』は5月12日より全国公開となる。