映画『シェイプ・オブ・ウォーター』の来日記者会見が1月30日に赤坂プリンスクラシックハウスで行われ、来日したギレルモ・デル・トロ監督とゲストとして女優の菊地凛子が出席した。
本作は先日発表となった第90回アカデミー賞ノミネーションで、最多13部門にノミネートされたダークなラブストーリー。米ソ冷戦下のアメリカを舞台に、政府の極秘研究所で働くヒロインと、研究対象になっている生物との愛を描く。
オリジナリティある世界観を作り上げることで知られるデル・トロ監督。本作では現在とも重なる不遇な時代を背景に孤独な主人公と“生物”とのファンタジックなロマンスが描かれており、「自分たちと異なる者を恐れ、愛や感情をなかなか感じられない今の時代にこの物語は必要だと思いました。現代の設定だとなかなか聞いてくれませんが、おとぎ話として語れば人は聞く耳を持ってもらえるかと」とその意図を説明。
キャストはすべてあて書きしたそうで、サリー・ホーキンス演じるヒロインついては「主人公の女性はまるで化粧品のコマーシャルから飛び出してきたような若くて綺麗な人ではない方がいいと思いました。30代後半で、バスで隣に座っているかもしれないような平凡な女性だけど、何か輝きも持っているんです」とイメージを解説した。
会見の最後には、『パシフィック・リム』シリーズで森マコを演じている菊地が花束を持って登場。花束を受け取るとひょうきんに驚く表情をして見せたデル・トロ監督は、「菊地凛子さんがいたから『パシフィック・リム』を作りました。私にとっては彼女が主人公でした」とコメント。日本ファンでも知られているだけに「来日した時にはジャケットのボタンは閉じていたけど、しゃぶしゃぶとか色々食べていたら閉まらなくなっちゃったんだ」と大きなお腹も見せ、トークの合間には歌も披露するなど、陽気な人柄で報道陣を魅了していた。
『シェイプ・オブ・ウォーター』は3月1日より全国公開となる。
(text&photo:中村好伸)
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