1位は『キングスマン/ゴールデン・サークル』。1作目のオープニングは週末動員ランキングで6位、最終興収は9億円。一方、本作は2位スタートで興収は14.4億円(1月28日時点)。それぞれ1作目を上回った。アメリカでは1作目が1億2800万ドル、本作が1億ドルなので、日本で健闘しているといえる。
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配給元の20世紀フォックスでは1月5日に公開日を設定。正月興行は『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』が本命視されていたことから同作から公開期間を開けるとともに、1月6日〜8日の3連休を生かすために5日から公開。オープニング成績は惜しくも『スター・ウォーズ』に次ぐ僅差の2位となったが、配給戦略が奏功した。またPRイベントにはお笑いタレントのゆりやんレトリィバァやチュートリアルの徳井義実が出席した。
日本の配給元は1作目がKADOKAWA(角川映画)、本作が20世紀フォックス。1作目の日本での配給権を角川が買い、日本でヒットさせたことで、2作目は20世紀フォックスが買った(アメリカでは2作ともフォックス)。「日本の配給元は1作目がインディペンデント系、2作目がハリウッドメジャー系」というケースがたまにあり、『バイオハザード』『パラノーマル・アクティビティ』が挙げられる。『バイオハザード』は1作目(02年)をアミューズピクチャーズ、2作目以降はソニー・ピクチャーズ。『パラノーマル〜』は1作目(10年)をプレシディオが買い、2作目以降はパラマウントが買った。
2位は『ジオストーム』。日本語吹き替え版では、上川隆也を主人公ジェイク(ジェラルド・バトラー)、山本耕史をジェイクの弟マックス、ブルゾンちえみをマックスの恋人で、米大統領を警護する女性シークレットサービスのサラに起用。1月9日のジャパンプレミアには3人が出席した。1月16日のトークイベントには気象予報士の森田正光、依田司、人気子役の谷花音が出席。また日本語版主題歌にB’zの新曲「Dinosaur」を使用。洋画ながら日本人俳優・タレントやアーティストの宣伝に活用した。
なお、東野圭吾原作『新参者』シリーズの完結編『祈りの幕が下りる時』は1月27日から公開され、初日2日間で約2億6500万円。前作『麒麟の翼 劇場版・新参者』(最終興収16.8億円)の約96%の出足となっている。(文:相良智弘/フリーライター)
[1月公開作ランキング]
1位『キングスマン/ゴールデン・サークル』14.4億円
2位『ジオストーム』6.6億円
3位『嘘を愛する女』4.3億円
(1月28日時点。ムビコレ調べ)
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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