森山未來&塚本晋也監督、ヴェネチア国際映画祭で”8分間”スタンディングオベーションに感無量! 『ほかげ』ワールドプレミア上映
塚本作品がヴェネチア国際映画祭に選出されるのは『斬、』以来5年ぶり9度目
塚本晋也監督の最新作『ほかげ』が、第80回ヴェネチア国際映画祭でワールドプレミアを迎え、塚本監督、出演者の森山未來、塚尾桜雅が現地イベントに出席した。塚本監督作品がヴェネチア国際映画祭に選出されるのは、『斬、』(18年)以来5年ぶり9度目となる。
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9月5日(現地時間)に、『ほかげ』のレッドカーペット、公式上映、記者会見、フォトコールが行われ、ワールドプレミアを迎えた。
現地には、塚本監督をはじめ、物語の狂言回しとなる戦争孤児を演じた塚尾、片腕が動かない謎の男役の森山が参加。本編の終盤、エンドロールに差し掛かるやいなや、早くも場内からは惜しみない拍手と歓声が上がり、劇場を埋め尽くした観客たちから、約8分間のスタンディングオベーションが巻き起こった。熱気に包まれた会場と超満員の観客からは、同作への評価の高さがうかがえた。
上映後には、観客とのQ&Aの場が設けられ、塚本監督は「まずは、ありがとうございました! grazie!」と感無量の表情をのぞかせた。作品について尋ねられると、「今回の『ほかげ』は、実際に戦争に行った人だけではなく、戦争のせいで恐ろしい目に遭った一般の人たちの目を通した物語です。僕自身は歳を取ったので召集されることはないでしょうが、もし今後、戦争に行くとなったら若い人たちです。そういったことが起きないようにという願いを込めて制作しました」と思いの丈を伝えた。
森山は、「塚本監督の映画はどれも力強い作品だと感銘を受けていたので、今回、作品に参加させていただけるということを光栄に思っています」と初の塚本作品、そして、本作でヴェネチア国際映画祭に参加できたことへの感謝の意を表し、大きな拍手を浴びた。
また、初めての海外映画祭への参加となった塚尾は、「Mi chiamo OGA. Ho 8 anni. Piacere!(僕の名前は桜雅です。8歳です。はじめまして!)」と、一生懸命覚えたというイタリア語での挨拶を披露し、会場を沸かせた。
上映を終え、塚本監督は「実は、『ほかげ』は僕自身がとっても好きな映画にできたんです。また、今回、このような大きなスクリーンで上映できて嬉しかったですし、お客さまが皆、息を詰め、集中して見てくださっていて、見終わった後に、祈りの思いが伝わったという感触を非常に強く感じられました。とても嬉しいです」と喜んだ。
そして、森山は、「ヨーロッパの映画祭に参加したのは僕自身初めて。ヴェネチア国際映画祭という場所にこの作品で来られて、本当に光栄です。監督の込めた祈りやエネルギーがこれからどういう風に観客に届いていくのだろうと楽しみでもあります」と語り、塚尾は「自分が出ている映画を多くの方が見てくれていると思うと、すごく嬉しい気持ちでいっぱいです!」と一生懸命に伝えた。
ヴェネチア国際映画祭には9度目の参加の塚本監督だが、今回初めて観客からのQ&Aの場に立ち会い、「お客さまが的確で実感のこもった質問をしてくれたので、想像以上に大事なことを伝えられた気がします。今の世の中の不安とか、戦争に近付いてきているということを伝えられたし、皆さんが真剣に聞いてくださったので、とても良い時間になりました」と振り返った。
『ほかげ』は11月25日より全国順次公開。
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