性悪さ暴露され出演減!? 違法ポーカーで42億円超を荒稼ぎした演技派スターは今…

#トビー・マグワイア#あの人は今

カンヌ国際映画祭でのトビー・マグワイヤ(右)
(C)Kazuko Wakayama
カンヌ国際映画祭でのトビー・マグワイヤ(右)
(C)Kazuko Wakayama

【あの人は今】トビー・マグワイア
『スパイダーマン』で大ブレイクした
レオナルド・ディカプリオ親友!

顔や体つきは赤ちゃんなのにネクタイにスーツ姿、しかも中身は完全にオヤジという存在が“弟”として我が家にやってきた! 一人っ子で両親の愛を独占してきた7歳の少年ティムの困惑をコメディタッチで描くアニメ『ボス・ベイビー』。可愛らしい見た目に反して、やたら圧の強い弟=ボス・ベイビーを大人になったティムが回想する形式だが、成長したティムの声を担当しているのがトビー・マグワイアだ。

親友レオナルド・ディカプリオとの仕事について語った/トビー・マグワイア インタビュー

彼の姿をスクリーンで見なくなってから4年近く経つ。2014年の主演作『完全なるチェックメイト』で天才チェス・プレイヤーのボビー・フィッシャーを演じて以来、俳優として活動していなかったのだ。

トビーは1975年生まれで今年43歳。完全休業していたのではなく、『〜チェックメイト』にもプロデューサーとして名を連ねた彼は近年、映画製作に力を入れている。マーゴット・ロビーの2015年の主演作『死の谷間』(6月に日本公開予定)やクロエ・グレース・モレッツ主演の『フィフス・ウェイブ』(16)を製作、今年は『スリー・ビルボード』でアカデミー助演男優賞を受賞したサム・ロックウェルの主演作『The Best of Enemies』(原題)の公開が控え、準備段階の製作予定作は10本近くある。

トビーといえば、20代半ばまでは『アイス・ストーム』(97)などのアン・リー監督作、ラッセ・ハルストレム監督の『サイダーハウス・ルール』(99)など、質の高いインディペンデント色の強い作品で活躍し、物静かな佇まいに秘めた複雑な感情を巧みに表現する若手演技派だった。それが一変したのは2002年。『スパイダーマン』の主演に抜擢され、一気にメジャーな存在になった。小柄で普通っぽい雰囲気を残したまま、肉体は鍛え上げ、それまでになかったヒーロー像を作り上げたのは、演技派の彼ならではの功績だ。そして同年公開のスパイク・リー監督の『25時』で、早速プロデューサー業にも進出した。俳優の場合、自身の出演作のプロデューサーからスタートするのがほとんどだが、彼は最初から出演なしの純粋な製作者。『スパイダーマン』シリーズ3作の主演を務め上げた後は、俳優よりも製作者としてクレジットされる作品が増えた。

映画デビュー作『ボーイズ・ライフ』(93)で共演して以来、レオナルド・ディカプリオと親友同士なのはよく知られているが、彼とはその後も『あのころ僕らは』(01)、『華麗なるギャツビー』(13)でも共演している。時に感情を爆発させてドラマティックに大熱演するレオ、万事静かで全てを見透かすようなトビー。そんな動と静、あるいは太陽と月のように相反する個性が引き合うのだろうか。役柄が競合しないこともあってか、互いにAリストのスターというステイタスを保ったまま、友情は25年もの間、今も続いている。

『スパイダーマン』シリーズと時を同じくして、トビーが夢中になっていたのはポーカー・ゲームだ。世界的トーナメント「ワールドシリーズ・オブ・ポーカー」に出場したばかりか、ビヴァリーヒルズの高級ホテルのスイートルームで週2回開催されていたセレブ御用達の違法ポーカーの常連で、3年間で賭け金4000万ドルを受け取ったと言われている。このポーカーにはトビーの紹介でレオやベン・アフレック、マット・デイモンも参加していた。トビーから30万ドル以上の賭け金を取られた参加者の男性が2011年、トビーを相手取り、訴訟を起こしたこともある。

主催者のモリー・ブルームの手記を映画化した『モリーズ・ゲーム』(5月公開)には、トビーをモデルにしたプレイヤーXと言うキャラクターが出てくる。厳密に言えばトビー1人ではなく、レオやベンなどを混ぜた架空の人物だが、演じるマイケル・セラの仕草や話す口ぶりは明らかにトビーに寄せてある。2014年に発表されたモリーの著書にトビーは実名で登場し、抜群の演技力でゲーム相手に心理ゲームを仕掛けて惑わす情け容赦ない一面や、モリーに対して巨額なチップの対価に屈辱的な行為を要求するなど、かなりの性格の悪さを暴露されてしまった。

トビーが表舞台よりも裏方に回ることを選んだのは、この騒動が影響していると思われる。また2007年に結婚し、2児をもうけたジュエリー・デザイナーのジェニファー・メイヤー(ユニバーサル・ピクチャーズCEO-当時-の娘)とは2016年に離婚してしまった。今も、ロサンゼルス周辺で家族と一緒に過ごしたり、レオやモデル女性たちと出かける姿がパパラッチされている。どこか少年ぽさを残した表情は以前と変わらない。そして依然として、現時点では俳優としての出演予定作はなし。まだしばらくは、彼の演じる姿を見る機会は訪れなさそうなのは、なんとも残念だ。