【あの人は今】トビー・マグワイア
『スパイダーマン』で大ブレイクした
レオナルド・ディカプリオ親友!
顔や体つきは赤ちゃんなのにネクタイにスーツ姿、しかも中身は完全にオヤジという存在が“弟”として我が家にやってきた! 一人っ子で両親の愛を独占してきた7歳の少年ティムの困惑をコメディタッチで描くアニメ『ボス・ベイビー』。可愛らしい見た目に反して、やたら圧の強い弟=ボス・ベイビーを大人になったティムが回想する形式だが、成長したティムの声を担当しているのがトビー・マグワイアだ。
・親友レオナルド・ディカプリオとの仕事について語った/トビー・マグワイア インタビュー
彼の姿をスクリーンで見なくなってから4年近く経つ。2014年の主演作『完全なるチェックメイト』で天才チェス・プレイヤーのボビー・フィッシャーを演じて以来、俳優として活動していなかったのだ。
トビーは1975年生まれで今年43歳。完全休業していたのではなく、『〜チェックメイト』にもプロデューサーとして名を連ねた彼は近年、映画製作に力を入れている。マーゴット・ロビーの2015年の主演作『死の谷間』(6月に日本公開予定)やクロエ・グレース・モレッツ主演の『フィフス・ウェイブ』(16)を製作、今年は『スリー・ビルボード』でアカデミー助演男優賞を受賞したサム・ロックウェルの主演作『The Best of Enemies』(原題)の公開が控え、準備段階の製作予定作は10本近くある。
映画デビュー作『ボーイズ・ライフ』(93)で共演して以来、レオナルド・ディカプリオと親友同士なのはよく知られているが、彼とはその後も『あのころ僕らは』(01)、『華麗なるギャツビー』(13)でも共演している。時に感情を爆発させてドラマティックに大熱演するレオ、万事静かで全てを見透かすようなトビー。そんな動と静、あるいは太陽と月のように相反する個性が引き合うのだろうか。役柄が競合しないこともあってか、互いにAリストのスターというステイタスを保ったまま、友情は25年もの間、今も続いている。
『スパイダーマン』シリーズと時を同じくして、トビーが夢中になっていたのはポーカー・ゲームだ。世界的トーナメント「ワールドシリーズ・オブ・ポーカー」に出場したばかりか、ビヴァリーヒルズの高級ホテルのスイートルームで週2回開催されていたセレブ御用達の違法ポーカーの常連で、3年間で賭け金4000万ドルを受け取ったと言われている。このポーカーにはトビーの紹介でレオやベン・アフレック、マット・デイモンも参加していた。トビーから30万ドル以上の賭け金を取られた参加者の男性が2011年、トビーを相手取り、訴訟を起こしたこともある。
主催者のモリー・ブルームの手記を映画化した『モリーズ・ゲーム』(5月公開)には、トビーをモデルにしたプレイヤーXと言うキャラクターが出てくる。厳密に言えばトビー1人ではなく、レオやベンなどを混ぜた架空の人物だが、演じるマイケル・セラの仕草や話す口ぶりは明らかにトビーに寄せてある。2014年に発表されたモリーの著書にトビーは実名で登場し、抜群の演技力でゲーム相手に心理ゲームを仕掛けて惑わす情け容赦ない一面や、モリーに対して巨額なチップの対価に屈辱的な行為を要求するなど、かなりの性格の悪さを暴露されてしまった。
トビーが表舞台よりも裏方に回ることを選んだのは、この騒動が影響していると思われる。また2007年に結婚し、2児をもうけたジュエリー・デザイナーのジェニファー・メイヤー(ユニバーサル・ピクチャーズCEO-当時-の娘)とは2016年に離婚してしまった。今も、ロサンゼルス周辺で家族と一緒に過ごしたり、レオやモデル女性たちと出かける姿がパパラッチされている。どこか少年ぽさを残した表情は以前と変わらない。そして依然として、現時点では俳優としての出演予定作はなし。まだしばらくは、彼の演じる姿を見る機会は訪れなさそうなのは、なんとも残念だ。
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