『花束みたいな恋をした』を上回るペースで興収伸ばす
【興収レポート】9月公開作の1位は『ミステリと言う勿れ』。田村由美の人気マンガを菅田将暉主演でテレビドラマ化した劇場版。原作で人気のエピソード「広島編」をもとに、広島の名家・狩集家をめぐる遺産相続事件の顛末を描く。製作元のフジテレビ系列ではドラマを再放送したり、土曜プレミアムでスペシャルドラマを放送。また菅田らが『ボクらの時代』『TOKIOカケル』『私のバカせまい史』などのバラエティ番組に出演してPRに務めた。さらに公開初日の9月15日には、菅田、共演の柴咲コウ、松下洸平、町田啓太、原菜乃華、萩原利久、松山博昭監督が初日舞台挨拶を行った。
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9月24日までの9日間で興収20.4億円。今年大ヒットした邦画と比較すると、『劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室』が公開後9日間で24億円(最終興収45億円)、『キングダム 運命の炎』が22.7億円(9月24日時点で53.8億円)。最終的に2作にどこまで迫れるだろうか。ちなみに、菅田の主演作の最高興収『花束みたいな恋をした』(38.1億円)を上回りそうなペースで興収を伸ばしている。
2位は『ホーンテッドマンション』(16.8億円)。ディズニーランドの人気アトラクション「ホーンテッドマンション」を題材に実写映画化。999人のゴーストが住む呪われた洋館に暮らすことになった親子と、怪奇現象の解明のためやってきたエキスパートたちが、ゴーストたちと繰り広げる攻防をコミカルに描く。9月1日の公開に先駆けて8月22日にはジャパンプレミア、公開中の9月6日には公開イベントを実施。日本語吹替え版声優を務めた片岡愛之助、土屋アンナ、温水洋一、小林幸子らが出席してPRに務めた。
3位は『映画プリキュアオールスターズF』(8.5億円)。テレビアニメ「プリキュア」シリーズの20周年を記念し、5年ぶりに全テレビシリーズの歴代プリキュアたちが集結した劇場版。動員増に貢献したのが入場特典。4年ぶりにミラクルライトが復活し、ミラクルライト史上初の試みとして、ピンクとブルーの2色がランダムで配布された(全国70万個限定。配布は中学生以下限定)。さらに大人も子どもももらえる入場特典として「Film Collectionクリアカード」も配布された。
同じく3位には『こんにちは、母さん』(8.5億円)が入った。劇作家・永井愛の同名戯曲の映画化で、監督・山田洋次、主演・吉永小百合で、東京・下町に生きる家族が織りなす人間模様を描く。(文:相良智弘/フリーライター)
[2023年9月公開作ランキング]
1位『ミステリと言う勿れ』20.4億円
2位『ホーンテッドマンション』16.8億円
3位『映画プリキュアオールスターズF』8.5億円
3位『こんにちは、母さん』8.5億円
(ムビコレ調べ。9月24日時点)
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