マーベルが08年に『アイアンマン』から自社で映画製作を初めて今年で10年。4月27日に日本公開される『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は10周年記念作だ。マーベル映画のスタート時に人気を牽引したアイアンマン、ハルク、ソー、キャプテン・アメリカの“第1世代”4人に加え、スパイダーマン、ブラックパンサー、ドクター・ストレンジ、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーら“第2世代”が登場する。実は来年公開の『アベンジャーズ4』(仮題)で第1世代4人が卒業すると発表されている。本作が「第1世代の卒業へ向けてのカウントダウン」であり「第2世代へのバトンタッチの始動」となる。
・ソニー・ピクチャーズ、『スパイダーマン:ホームカミング』大ヒットで関連映画の製作を加速
10年間のマーベル映画をざっと振り返ってみる。マーベル映画の世界観はつながっており「マーベル・シネマティック・ユニバース」(MCU)と呼ぶ。さらにMCUでは「フェイズ」という、数作品ごとの段階を経て世界観を広げてきた。
フェイズ1は『アイアンマン』(08年)から『アベンジャーズ』(12年)。アイマンマン、ハルク、ソー、キャプテン・アメリカを主役にした映画を順に製作。「4人がいかにしてヒーローになっていったのか」を描いた。そして4人が集結する『アベンジャーズ』1作目へとつなげた。
フェイズ3は『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16年)から『アベンジャーズ4』(仮、19年)。権利の関係からアイアンマンらと“共演”することがなかったスパイダーマンが『シビル・ウォー』からMCUに合流。さらにブラックパンサーを単独映画より先に『シビル・ウォー』でお披露目し、ドクター・ストレンジは単独映画を製作した。そして『アベンジャーズ4』でアイマンマン、ハルク、ソー、キャプテン・アメリカが終了(卒業)する。
『スパイダーマン:ホームカミング2』(19年)から始まるフェイズ4。初期ヒーロー4人の後を継ぐのは誰か。続編公開が発表されているスパイダーマンとガーディアンズ・オブ・ギャラクシーに加え、ドクター・ストレンジ、ブラックパンサー、アントマン、そして来年春に新たにお目見えする女性ヒーロー、キャプテン・マーベルになるものとみられる。特に『ブラックパンサー』は米国で『アベンジャーズ』を上回りマーベル映画史上最大のヒットを記録しており、ブラックパンサーがマーベル映画の人気をけん引することになりそうだ。
気になるのはマーベルの人気キャラクター、X-MENの今後だ。X-MENは20世紀フォックスがマーベルから映画化権を得て製作してきたが、昨年12月にウォルト・ディズニーが20世紀フォックスを買収したことでマーベル自身が製作できるようになる。ディズニーによるフォックス買収は米司法省など独禁法当局の認可が必要なため、X-MENのMCU合流がいつごろになるかは不明だ。
なお、X-MENの人気キャラクター、ウルヴァリンを17年にわたり演じてきたヒュー・ジャックマンは昨年の『LOGAN/ローガン』を最後に卒業した。X-MENを新たに作り直すには良いタイミングともいえる。(文:相良智弘/フリーライター)
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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