円谷プロ、ウルトラマンの海外利用権めぐる米国での裁判で勝訴!

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ウルトラマン
(C) 円谷プロ
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円谷プロダクションが、ユーエム株式会社らと長年に渡って係争中だった「ウルトラマン」シリーズの日本国外利用権についての訴訟に関し、現地時間4月18日にアメリカ合衆国カリフォルニア中央区地方裁判所において、同社の主張を全面的に認める判決が下されたことを発表した。

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判決では、ユーエム株式会社らが主張する1976年3月4日付けの契約書が真正に作成されたものではないという円谷プロ側の主張が全面的に認められ、円谷プロが「ウルトラマン」キャラクターに基づく作品や商品を日本国外においても展開する一切の権利を有することが確認されたほか、権利侵害に対する損害賠償も認められたという。

「ウルトラマン」シリーズの日本国外利用権については、2015年5月18日付けでユーエム株式会社が円谷プロに対し、同権利の帰属確認と損害賠償の支払いを求める旨の提訴をしていた。これに対し円谷プロも、同年9月11日付けで、ユーエム株式会社及び同社のライセンシーらに対し、権利帰属及び損害賠償請求の反訴を提起し、審理が進められてきた。

ユーエム株式会社は、1976年に円谷プロの代表者であった円谷皐が署名した契約書が存在し、同契約書に基づいて許諾された「ウルトラマン」シリーズの日本を除く全世界での利用権を、タイ人実業家であるサンゲンチャイ・ソンポテ氏からユーエム株式会社が承継したと主張。一方、円谷プロは、この文書は偽物であるとして争っていた。

この係争は20年以上に渡っており、ソンポテ氏は円谷プロの元代表者であった円谷皐が逝去した翌年の1996年になって、突如1976年に円谷皐が署名したとする文書の写しを円谷プロに持参し、全ての「ウルトラマン」シリーズの利用権を、日本を除く全世界において永久に有すると主張。だが、ソンポテ氏から示された文書はわずか1ページで、原本は開示されなかった。

また、その文書には、円谷プロの社名や「ウルトラマン」シリーズの作品名、作品本数など、円谷皐が作成したのであれば間違えることのない基本的な事項に誤りが多数あったほか、具体的なライセンス料の定めもなく、その他のライセンスビジネスにおいて当然規定されるべき事項の定めもなかった。

加えてソンポテ氏は、同文書の作成年とされる1976年以降、円谷皐氏が逝去する翌年まで、約20年にわたって同文書に基づく権利を行使していなかったことはおろか、同文書の存在すら1度も言及したこともなかった。一方、円谷プロは、1976年以降も多額の投資をして「ウルトラマン」シリーズの制作や世界展開をし、国際的なブランドを築いていった。そうしたことから、円谷プロは同文書は偽造であると確信し、ソンポテ氏及び同氏の権利を承継したとするユーエム株式会社と争ってきた。

この文書が偽造されたものか否かについては、過去に日本、タイ、中国の裁判所でそれぞれ争われてきた。日本では、円谷プロが偽造だと主張した同文書について、裁判所による筆跡鑑定を求めたが鑑定は行われず、文書の原本の確認も行われないまま、真正な文書であるとの判断がされた。タイでは筆跡鑑定手続が行われ、円谷プロの偽造であるという主張が認められ全面的に勝訴。タイでは文書偽造に関して、民事のみならず刑事事件にもなっており、ソンポテ氏に有罪判決が下っている。

中国では、第一審は円谷プロが勝訴したものの、上級審ではタイで行われた鑑定結果が外国で行われた手続であることなどを理由に採用されず、中国での鑑定も行われずに敗訴判決が下された。なお、中国・日本の判決でも、限定的な利用権を昭和初期シリーズのみに認める内容であること。さらに、勝敗の如何に関わらず、いずれの国の判決でも、円谷プロに著作権が帰属することは、争いのない事実として認められているという。

円谷プロは今回の米国での全面勝訴判決について、これまでの長い係争のいわば集大成であると考えており、「上記判決は、当社の主張を全面的に認めるものです。今回の全面勝訴判決は、長い時間と膨大な労力をかけた精緻な証拠開示手続に加え、多数の証人の証言、筆跡鑑定の専門家の鑑定意見等を経て出されたもので、極めて信頼性の高いものであると考えます。この判決を踏まえて、今後はさらにウルトラマン作品の積極的な海外展開を進めていく所存でございます。お取引先様、ご関係者様、ウルトラマンシリーズファンの皆様におかれましては、今後とも変わらぬご愛顧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます」とのコメントを発表している。