全米映画テレビ製作者協会と労働協約について合意したと発表
5月から続いていた全米脚本家組合(WGA)のストライキが27日午前0時1分(現地時間)に終了した。
・AIによる脚本執筆が可能に?クレジットや報酬の分配は“必要なし”、アメリカ脚本家組合が提案
WGAは24日に全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)と労働協約について暫定合意したと発表し、26日の評議会で合意について、全会一致で承認となった。1万1500名の組合員は10月9日(現地時間)までに労働協約について投票する。契約はまだ批准されていないが、作家たちは仕事に復帰することができる。
WGAは契約書と新たな取り決めの要約を公表し、最低賃金の引き上げ、健康保険料と年金の引き上げのほか、AI使用についての規制も設けた。
AIは文学的な素材の執筆やリライトはできないことから、AIが生成した素材は原作とはみなされず、作家のクレジットや権利を損なうために使用することはできない。
作家は執筆の際にAI使用を選択できるが、企業側からAI使用を要求することはできない。また、作家に提供する資料がAIによって生成されたものである場合、または一部に生成AIによる資料を組み込んだ場合は、作家に開示しなければならない。
また、配信サービスの台頭によって改善が求められた配信作品の脚本への二次使用料については、HBSVOD(高予算サブスクリプション・ビデオ・オン・デマンド)のシリーズや映画に関しては、リリース開始から90日間で「サービスの国内加入者の20%以上が視聴した場合」、その作品の国内での配信視聴率に応じてボーナスが支払われる。
Netflix、Amazon、Apple、ディズニー、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー、NBCユニバーサル、パラマウント、ソニーなどの映画制作会社や動画配信会社を代表するAMPTPとの新契約は9月25日から2026年5月1日まで有効。
ストライキが続いた結果、映画やTVシリーズの製作延期、トーク番組の休止という事態が発生した。そんな中、ストライキ中にも関わらず、ドリュー・バリモアは自身が司会を務める「Drew Barrymore Show(原題)」の再開を発表、各方面からの抗議と批判を受けて断念するという騒動もあった。
一方、7月から始まった全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキはまだ続いているが、WGAストライキの終結を受けて10月2日(現地時間)にAMPTPとの話し合いが行われる予定だ。
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