テレビドラマ化された「陸王」「下町ロケット」や、「オレたちバブル入行組」にはじまる半沢直樹シリーズなど、数々の代表作を抱える池井戸潤の傑作小説「七つの会議」が野村萬斎主演で実写映画化されることがわかった。
舞台となるのは、都内にある中堅メーカーの東京建電。営業一課の万年係長・八角民夫(やすみ・たみお)はどこの会社にもいる“ぐうたら社員”。トップセールスマンである課長の坂戸宣彦(さかど・のぶひこ)にその怠惰ぶりを叱責されるが、ノルマも最低限しかこなさず定例の営業会議では傍観しているのみ。絶対的な存在の営業部長・北川誠(きたがわ・まこと)が進める結果主義の方針のもと、部員が寝る間を惜しんで働く中、1人飄々(ひょうひょう)とした毎日を過ごしていた。
ある日、突然、社内で坂戸のパワハラ騒動が起こり、異動処分が下される。訴えた当事者は、年上の部下・八角だった。北川の信頼も厚い坂戸に対するパワハラ委員会の不可解な裁定に揺れる社員たち。そんな中、万年二番手に甘んじてきた原島万二(はらしま・ばんじ)が新課長として着任する。会社の顔である一課で、成績を上げられずに場違いすら感じる原島。誰しもが経験するサラリーマンとしての戦いと葛藤。だが、そこには想像を絶する秘密と闇が隠されていた……。
野村が演じるのは主人公の八角民夫役。野村にとっては今回が初のサラリーマン役で、池井戸作品への参加も初となる。
また、社内で絶対的な存在である営業部長・北川役に香川照之、うだつが上がらない営業課長・原島役に及川光博、営業成績トップでありながら突如パワハラで訴えられてしまう坂戸役に片岡愛之助、零細ねじ工場の社長・三沢役に音尾琢真、新進気鋭のねじ製造会社社長・江木役に立川談春、そして御前様と呼ばれる親会社の代表取締役社長・徳山役に北大路欣也と、今までの池井戸作品を支えてきた豪華俳優陣が顔をそろえ、会議室という密室内で濃密な演技合戦が繰り広げられる。
メガホンをとるのは、『私は貝になりたい』(08年)、『祈りの幕が下りる時』(18年)を手掛け、確かな演出力が高く評価されている福澤克雄。『半沢直樹』『下町ロケット』『陸王』と池井戸作品のドラマ化を数多く成功に導いたその手腕で、複雑な心情の変化を緻密でダイナミックに描き出す。
香川は「池井戸潤・福澤克雄の両巨頭が組む作品カラーはすでに国内に幅広く浸透しているという点では、そこに出演する私に求められる役割はほぼ確定していると言ってもいいのだが、主演の野村萬斎という鬼才と福澤との融解、あるいは彼と池井戸ラインとの化学反応こそは、私が現場で土下座してでも盗み見たい最大の焦点だ。相変わらず男臭いキャストが満載のこの福澤組に、どんなたおやかな風を野村萬斎は吹き込むのか?」と述べている。
『七つの会議』は2019年、全国東宝系にて公開となる。
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